ボードゲーム

【ボドゲ紹介】「アンドールの伝説」シリーズ徹底解説

今回紹介するゲームは【アンドールの伝説】です!

アンドールの伝説は次々にシナリオを進めていくキャンペーン型の協力RPG系ボードゲームになります。毎プレイの中で敵の討伐、ゴールドの獲得、キャラクターの強化を行いながら、シナリオのクリア条件を満たすべく戦略的にラウンドを進めます!

このゲームでは、プレイヤーは勇者となり、侵略軍から領土を守るべく、力を合わせて戦わなくてはなりません。そして、アンドールの地を守るために、数々の試練に立ち向かうのです。その旅路の途中では、魔女を見つけ出し、ドワーフのもとを訪ね、いにしえの竜に立ち向かうことになるでしょう。そしてその行き先は……

さあ、この『アンドールの伝説』の世界を駆け抜け、栄光に満ちた物語を紡ぎましょう!

今回はそんなアンドールの伝説のシリーズに関する概要を紹介します。

ぼどわん

ぼどわん(当サイトの運営者)

  • 一般企業勤めの20代後半
  • 協力系ボードゲーム、謎解き大好き!
  • 負けず嫌いなので対戦系はほどほどに…(笑)
  • 100種類以上のアナログゲームを保有、順次紹介!

アンドールの伝説ってどんなゲーム?

アンドールの伝説は2013年ドイツボードゲーム大賞の「エキスパート部門」の大賞を受賞したボードゲームです。

作品名 アンドールの伝説
プレイ人数 1~4人
プレイ時間 60〜90分/1プレイ
ジャンル RPG系、協力ゲーム、ダイスロール
プレイ方式 キャンペーン型
関連作品 4作品
おすすめ度(個人的)
BGG ranking Rate 7.1:rank:640/28567 (2025.6)
ひとこと 絶妙なバランスの冒険RPGが最高!

アンドールの伝説の世界観

小規模な奴隷の一団が、過酷な監督官の目を盗んで、未踏の大地へと逃げ出しました。その途上、灰色山脈を踏破する中、一匹の竜に遭遇し、危うく全滅の危機に瀕しました。リーダーのブランドゥルは自分の民に対する責任を痛感し、鋼の意志と炎の勇気で果敢に戦いを挑んだため、竜は「不滅であるはずの己の命が、まさか失われるのでは?」と不安に襲われました。そのため、ブランドゥルとその民の通過を、許さざるを得なかったのです。以来その竜はブランドゥルに対する復讐を誓い、破滅をもたらそうと、己の眷属たる怪物たちをはけんして、周辺を襲わせるようになったのです。『アンドールの伝説』は、それより80年後に始まります。ブランドゥルは、アンドールと名付けられた新天地の王となっています。

アンドールの伝説のゲーム性

「アンドールの伝説」は協力型の冒険RPGのボードゲームとなります。

このゲームのユニークポイントを挙げるとすれば、「RPG要素」「語り手トラック」ですね!

RPG要素

本作品では「戦闘」「商人」「探索」「運搬」的なアクションを取りながら、キャラクターの強化を進め、シナリオの目的をクリアしていくRPG要素のある協力型ボードゲームとなります。特に、「戦闘」によりゴールドを獲得し、「商人」の元に訪れ、ゴールドを対価にキャラクターを強化。この一連のプロセスがRPG好きにはたまりません。

本作品はキャンペーン型なので、毎シナリオ初期状態からスタートし、ゲームの進行を経て目的を到達できる水準までキャラクターを強化していく醍醐味があります。

語り手トラック

本作品の特にユニークな点は「語り手トラックシステム」にあります。

「語り手トラック」はシナリオの制限時間の役割を果たすシステムです。語り手トラックの進行により次々と状況が悪化し、熾烈な状況に身を投じることになります。語り手トラックは「ラウンドの経過」だけでなく「怪物の撃退時」にも進行します。つまり、城を防衛するために怪物を撃退しすぎても、シナリオのゲームオーバーを迎えることとなります。

とはいえ、怪物の撃退によるゴールドの獲得と商人経由の買い物でキャラクターは強化されるので、シナリオの目的と城の防衛を両立できるよう、標的とする怪物とその数を十分に考慮する必要があります。このバランスが非常に絶妙な作品となってます。

アンドールの伝説(独立/拡張)一覧の紹介とレビュー

現在、完全日本語版は第一弾の基本セットを合わせ、4作品が発売されております。

独立で遊べる第1弾~第4弾までの4作品、第1弾、第2弾、第3弾の専用拡張が5作品存在します!

アンドールの伝説にはメインストーリー(伝説)のほかに、対応するセットさえ持っていれば公式WebサイトからDLすることでプレイ可能なサブストーリー(外伝)がありますので、コンテンツボリュームが一気に増加しますよ!
これらの時系列が非常に分かりにくいですが、以下の通りとなります。

アンドールの伝説の時系列

■ ストーリーの時系列
伝説1→伝説2→伝説3→外伝2→伝説4→外伝1→伝説5
遺聞1~3外伝9外伝3(外伝4)→伝説7→伝説8→伝説9→外伝10→伝説10→外伝5
外伝6→伝説11→伝説12→伝説13→伝説14→伝説15→伝説16→伝説17
※伝説6は基本セットに梱包されている自作可能シナリオとなります。

サブタイトルタイプ発売日定価販売状況
無印(改訂版)基本セット2019/46,160円(税込)
星の盾拡張セット2014/92,800円(税込)
北方への旅立ち拡張セット2015/26,380円(税込)
最後の希望独立拡張セット2018/28,250円(税込)
いにしえの呪縛・遺聞ミニ拡張2019/93,630円(税込)
封印の宝箱(5周年記念)拡張セット2019/44,400円(税込)
新たなる勇者たちミニ拡張2019/43,300円(税込)
闇よりの勇者たちミニ拡張2023/12/213,300円(税込)
災いの島の冒険独立セット(カード版)2016/123,560円(税込)
ジュニア独立セット(ライト版)2021/94,620円(税込)
リートブルク攻城戦独立亜種(カード版)2020/113,960円(税込)

【基本セット】アンドールの伝説:伝説1~5

1つ目は基本セットのアンドールの伝説(改訂版)です。

まずは、本作品からのプレイをおすすめします。
(というより物語に関連し、単独で遊べるのは本作品と最後の希望のみです。)

本作品はアンドール王国で語り継がれる伝説の数々を物語に沿って進めていく、その物語の始まりです。物語の始動から、いにしえの竜の討伐までを描かれており内容が非常にまとまっています。
また、伝説1~5までのメインストーリーと、無料の外伝1~4もプレイ可能で、全9章という大ボリューム
難易度もチュートリアルの簡単な伝説から、高難易度の伝説まで収録されています。

本作品の時系列

伝説1 → 伝説2 → 伝説3 → 外伝2 → 伝説4 → 外伝1 → 伝説5 → 外伝3(外伝4) →…

【拡張セット】星の盾:外伝1の掘り下げ

次は拡張セットの「アンドールの伝説:星の盾」です。

本作品は拡張セットのため、基本セットが必要です。

本作品は、基本セットの伝説5の続編と、外伝1の掘り下げ的な立ち位置です。
少し特殊で、物語の進行には関係せず、サブストーリーのサブのような部分。
「星の盾」の時代と呼ばれる部分が描かれています。

他の拡張セットが基本セットに続く物語を描くキャンペーン型なのですが、本作はランダムカードピックを採用した同じ物語でもプレイ内容に変化を与えたリピート性の高い拡張セットになります。なので、基本セットに続く物語を楽しむというよりは、拡張ではありながら本作を何度もプレイして遊ぶことを想定されています。

本作品の時系列

伝説5(前作) → 星の盾の時代 → …

【拡張セット】北方への旅立ち:伝説7~10、外伝5、外伝10

次はメイン拡張セットの「アンドールの伝説:北方への旅立ち」です。

本作品も拡張セットなので、プレイには基本セットが必要です。

本作品は基本セットの正統続編で、基本セットに続く伝説7~10の物語に沿ってプレイします。また本作で収録される伝説の時系列に関連する外伝5と10を公式WebサイトからDLして無料でプレイすることができます。なので、6章分の物語を遊ぶことができます。

アンドールに平和が訪れて数年。遠き北方ハドリアより、勇者たちのもとに救援を求める声が届いた。あなたがたは、すぐさま歴戦の帆船へと乗りこみ、危険な荒海へと漕ぎ出した。このアルデバラン号に艤装を施し、未知の島々を探索し、恐るべき海の怪物たちから浜辺の都市や人々を守るのだ。その道中、激しい嵐に遭い、解き放たれた“わだつみ"に、一度ならず行く手をはばまれることになるだろう。だがこの旅の背景にある大いなる秘密を解き明かすには、その試練を乗り越えなくてはならないのだ……

ということで、アンドール王国からは離れて海域を舞台に物語が進行します。
本作では基本セットを利用しますが、大半のコンポーネントは本作収録分を使用するのでかなり新鮮さを感じることができます。
難易度自体は基本セットよりも高くシリーズの中でも高難易度ですので、やりごたえはあります。

本作品の時系列

伝説5(基本セット) → 伝説7 → 伝説8 → 伝説9 → 外伝10→伝説10 → 外伝5 → …

【独立拡張セット】最後の希望:伝説11~17

次はメイン独立拡張セットの「アンドールの伝説:最後の希望」です。

本作品は独立拡張セットなので、基本セットを必要とせず単独でプレイ可能です。
ただし、本作からプレイする意味はあまり感じません…

本作は基本セット→北方への旅立ちに続くメインの拡張セットとなります。アンドールの伝説の最後までを描く第3章目となります。伝説7つを収録する大ボリュームで、コンポーネント量としては最大となります。

クラードの巨人どもは奴隷狩りを終え、アンドールから無数の人々を連れ去った。
勇者たちが戻ってきたのは、そんな時だった。
彼らは拉致された虜囚を解放すべく、すぐさま南方へと向かった。今こそ最大の冒険が始まる。
灰色山脈の彼方には、クラード族に率いられし肉体のない骸骨剣士が待ち受けている。
数々の伝説を乗り越え、古代の四つの魔法の盾の力を借りて、
勇者たちは再び世に平和をもたらすことができるのだろうか?
そう、諸君らこそが、最後の希望なのだから。

一応、アンドールの伝説の最終章なのですが、総合的な難易度は一番低いです。
(北方への旅立ち>アンドールの伝説>最後の希望)
ただし、価格分のコンテンツは保証でき、内容としては最大級のボリュームで満足度は高いです。
アンドールの伝説の拡張に手を出しているのであれば、コチラをプレイして最後まで完結するのがオススメです。

第一章が城を拠点に、第二章が海域(船)を拠点にし、最後の第三章は馬とテントを拠点とする根無し草となります。

本作品の時系列

(北方への旅立ち) → 伝説11 → 伝説12 → 伝説13 → 伝説14 → 伝説15 → 伝説16 → 伝説17

【ミニ拡張セット】いにしえの呪縛・遺聞:遺聞1~3

ここからはミニ拡張の紹介となります。
まずはミニ拡張セットの「アンドールの伝説:いにしえの呪縛・遺聞」です。

本作品はミニ拡張セットなので、基本セットなしでは遊ぶことが出来ません。

本作では基本セットから北方への旅立ちの間の物語に関連するシナリオが3つ収録されています。それに加えて公式Webサイトから外伝9をDLすることができるので、合計4章分の物語を楽しむことができます。

竜タロクを倒した後、アンドールの勇者たちには、さらなる冒険が待ち受けていた。
西方よりの民の力を借り、焼け落された農場は再建された。彼らはアンドールの森の精アルバクを引き連れていた。やがて勇者たちは、未知の強敵と対峙することになる。氷の魔神。古の大地の精。スクラルの長。そしてついには長いあいだ灰色山脈の内部に秘められし謎を解き明かすことになるだろう。

基本セットで退治したいにしえの竜「タロク」による爪痕からの復興と、その他の脅威に関する物語です。
基本セットよりはやや難易度が高めの印象ですね。

本作品の時系列

(基本セット) → 外伝9遺聞1~3 → (北方への旅立ち)

【拡張セット/記念品】封印の宝箱:外伝7,8

次はアンドールの伝説5周年を記念した豪華版拡張セットの「アンドールの伝説:封印の宝箱」です。

本作品は拡張セットの位置づけなので、基本セットなしでは遊ぶことはできません。

本作には新勇者やオリジナルサウンドトラックなどゲームを盛り上げる要素が収録されています。
サウンドトラックはアンドールの伝説をプレイしながら聞くのを想定していて、臨場感を演出するためのものです。

一方で、物語はというと外伝1,2および7,8が収録されています。
外伝は基本的に公式Webサイトから無料でDLできますが、外伝7,8は本作を購入しないとプレイできません。
また外伝1,2は作品に付随するカード状となっており、紙でDLし自作せずとも使用できます。

本作品の時系列

伝説4(基本セット) → 外伝7,8 → 伝説5(基本セット)

【ミニ拡張セット】新たなる勇者たち

次はミニ拡張セットの「アンドールの伝説:新たなる勇者たち」です。

本作品は拡張セットなので基本セットまたは最後の希望がなければ遊ぶことはできません。
どちらかというと基本セットの拡張という位置づけ。

本作ではシナリオの拡張はなく、5~6人プレイへの拡張や、使用可能な勇者4種の拡張となります。

追加される勇者はどちらかというと一癖ある能力の持ち主で、扱いやすいのは基本セットの勇者ですね。

追加勇者

・「河畔の番人」
・「南の森の追跡者」
・「<嵐の谷>のタル族」
・「闇の文書館の守護者」

【ミニ拡張セット】闇よりの勇者たち

次はミニ拡張セットの「アンドールの伝説:闇よりの勇者たち」です。

本作品は拡張セットなので基本セットまたは最後の希望がなければ遊ぶことはできません。
どちらかというと最後の希望の拡張という位置づけ。

本作ではシナリオの拡張はなく、5~6人プレイへの拡張や、使用可能な勇者4種の拡張となります。

新たなる勇者たちと同様、追加される勇者たちは癖つよです。

追加勇者

・死霊術師ダール。
・ハーフスクラルのフォルン。
・盲目の予言者。
・皮を取り換える者ドルキル

【独立セット/カード版】災いの島の冒険

ここからは、アンドールの伝説シリーズのシステムから変わった独立した関連作品の紹介になります。

まずは独立セット「カード版」である「アンドールの伝説:災いの島の冒険」です。

本作品の特徴は「2人専用ボードゲーム」であることと、「カードゲーム版」であることです。
シナリオに沿って物語を進めるのは同様ですが、ゲームシステムは全くの別物です。
ジャンルとしてはデッキ構築っぽい、ライトなボードゲームという印象です。

アンドールの伝説でも登場する戦士の「ソーン」と射手の「チャダ」が登場しますよ

【独立セット/ライト版】ジュニア

次は独立セットですが「ライト版」の「アンドールの伝説:ジュニア」です。

タイトルから推察できる通り、アンドールの伝説の対象年齢を下げ、よりライトにした作品です。

どのぐらいライト版なのかは下記を参考にしてください。
・プレイ時間:30分~(vs アンドールの伝説通常版は60~90分)
・プレイ可能年齢:小学校低学年~(vs アンドールの伝説通常版は10歳以降~)

複雑なルールがよりシンプルに、プレイ時間が中量級から軽量級となりました。
ルールがシンプルになっただけなので、大人でも軽いボードゲームとして楽しむことができます。

【独立セット/カード版】リートブルク攻城戦

次も独立セットで「カード版」の「アンドールの伝説:リートブルク攻城戦」です。

コチラもアンドールの伝説のゲームシステムとは変わり、カードゲーム版となっています。
物語的には伝説4~5の間を描いた内容となっています。
コチラもライト版といえばライト版で、プレイ時間は40分前後の軽~中量級ボードゲームです。

カードゲームとは言いつつも、完全ではなくコマなどは使用します。
ただやはりカードメインではあるので片づけも楽、内容はアンドールの伝説を踏襲している優れもの。
城を守るタワーディフェンス的なノリの作品となってます。

アンドールの伝説が好きなら、此方の作品も楽しんでみるのはアリかもしれません。
特にアンドールの伝説が少し重いと感じる方であればよりお勧めです。

公式Webサイトから「古き守りの塔」と「黒魔導士ファルクル」のミニ拡張2つが無料でDLできます。

アンドールの伝説の遊び方はコチラ

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二人協力ゲーム専門のレビューブログ
年齢:20代後半
職業:一般会社員(理系)×2
好物:ジャンル問わず協力型
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