ボードゲーム レビュー

【評価/感想】指輪物語:運命の旅

ホビージャパンから2025年6月に発売された『指輪物語:運命の旅』、一時プレイ完了です!

パンデミックシステムを採用した本作ですが、「目的の達成」「敵軍の殲滅」のバランスが非常に秀逸で、パンデミックシリーズの中でもトップクラスの楽しさを味わうことができる1作でしたね!単なる危機管理に留まらず、どの目標を優先するかの判断が常に求められ、プレイ中の緊張感が途切れません。

収録内容も非常に充実しており、キャラクターは13種類目的カードは24種類とスタンドアローン型の作品とは思えないほどのボリュームを誇ります。初期設定の組み合わせが変わるだけで、毎回まったく異なる戦術を要求されるため、リピート性は驚異的。何度遊んでも新鮮さを保ったまま楽しめる作品でした。

難易度は5段階用意されており、最難関である「伝説的」を除く全難易度でクリア。指輪物語の世界観に即した特殊な初期条件も用意されているため、低難度から順に挑戦していくことで、自然とキャラクターや目的のバリエーションを幅広く体験できる点も好印象でしたね!

この記事では、”実際のプレイデータ“評価”、そして”プレイの感想”を共有したいと思います!

ぼどわん

ぼどわん(当サイトの運営者)

  • 一般企業勤めの20代後半
  • 協力系ボードゲーム、謎解き大好き!
  • 負けず嫌いなので対戦系はほどほどに…(笑)
  • 100種類以上のアナログゲームを保有、順次紹介!

指輪物語:運命の旅の紹介記事遊び方に関してはコチラから!

ボードゲーム 紹介

【ボドゲ紹介】「指輪物語:運命の旅」徹底解説

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実際のプレイデータと評価

まずは、実際のプレイデータと評価を記載していきますね!

導入~叙事詩的の4種難易度で計14プレイ

2人プレイで進め、特殊シナリオ1つ除く叙事詩的難易度までの完遂までは以下の通りになりました!

プレイデータ

  • プレイ人数 : 2人
  • プレイ時間 : 19時間50分(1プレイ85分程度)
  • プレイ回数 : 14回
  • プレイ期間 : 約1ヶ月(12月13日~1月11日)

本作は難易度が「導入/通常/英雄的/叙事詩的/伝説的」5種難易度があります。また、指輪物語のストーリーに即した推奨シナリオが6つ存在します。推奨シナリオは数ある目的の中で特定の目的を組み合わせたシナリオになります。

今回は下記条件の設定でプレイしました。
・「導入/通常」難易度に紐づく推奨シナリオ2つ
・「通常」難易度でキャラ、目的を完全ランダムで2回
・「英雄的/叙事詩的」難易度に紐づく推奨シナリオ3つ
・「叙事詩的」難易度でキャラ、目的を完全ランダムで2回

ぼどわん

14回のプレイで9回成功、5回敗北を経験したよ!

1回あたりのプレイボリュームが大きく、難易度も高めに設定されている作品のため、挑戦の過程では敗北することも少なくありませんでした。その結果、一通りの内容を経験するまでに合計14回ものプレイを重ねることに。試行錯誤を繰り返しながら戦術を詰めていき、後半は難易度高くはしましたが、運も味方し順当に勝利を重ねられましたね!

スタンドアローン型のやりこみ系ボードゲーム好きへ!

実際にプレイしてみて、『指輪物語:運命の旅』の評価はコチラの通りになります!

プレイ評価

盛り上がり:4
難易度:4
知略:4
運要素:3
コスパ(ボリューム/時間):5
おすすめ度:4

協力型ボードゲームの金字塔とも言える「パンデミック」のシステムを採用しているだけあり、本作はシンプルに非常に面白い仕上がりです。パンデミックシリーズの中でも重量感が増しており、難易度も全体的に高め。導入用の難易度であっても、システム理解が浅い段階では歯応えを感じるバランスになっています。

特に上位難易度では、選択するキャラクターや目的の組み合わせによって体感難易度が大きく変化し、毎回異なる戦略構築が求められます。その分やり応えは十分で、思考量の多い協力型ゲームを求めるプレイヤーにはたまらない内容です。

パンデミックシステムを踏襲しているため運要素は常に介在しますが、運だけでどうにもならない状況に陥ることは少なく、敵の動向を見極めながら柔軟に判断することが重要になります。状況対応力や先読みといった知略要素が強く、プレイヤーの選択が結果に直結する点も魅力ですね。

価格面ではパンデミックシリーズと比較するとやや高めに感じるかもしれませんが、スタンドアローン作品としては群を抜いたリピート性を誇ります。繰り返し何度でも遊べる内容であることを考えると、トータルでのコストパフォーマンスは非常に優秀な作品と言えるでしょう。

プレイの感想(ネタバレなし)

さて、本ゲームのプレイ感想に移ります。

本作はタイトル通り、「指輪物語」の世界観を主軸に据え、それをボードゲームとして丁寧に落とし込んだ作品です。システム面にはパンデミックシステムを採用しており、加えて「ローマの落日」に見られる敵軍との拠点の奪い合い要素や、「ライジングタイド」のような目的達成型の構造が融合した作品となっています。

指輪物語の設定はあくまで“世界観”として機能しているため、原作を知っていれば地名やキャラクター、演出にニヤリとできる場面が多く、没入感が一層高まります。一方で、原作知識がなくてもゲームとしての完成度は非常に高く、純粋に協力型ボードゲームとして十分に楽しめる設計になっていましたね。

かつて冥王サウロンは中つ国の支配を企て、大戦争を引き起こした。人間やエルフの連合軍は辛うじてこれを退け、世界は一度平和を取り戻す。しかしサウロンは滅びておらず、再び力を蓄えながら復活の機会をうかがっていた。

サウロンが狙うのは、自身の力を宿した「一つの指輪」。それが彼の手に戻れば、世界は再び破滅へと向かう。その指輪を偶然手にしていたのは、争いとは無縁のホビット族の若者フロドだった。

指輪の危険性を知ったフロドは、裂け谷で開かれた会議を経て、自ら指輪を葬る使命を引き受ける。だが指輪を完全に破壊できる場所はただ一つ――サウロンの地モルドールにそびえる、滅びの山のみ。こうして中つ国の運命を懸けた、過酷な旅が始まる。

※本記事のストーリー紹介は、製品内容に基づき、筆者の表現で再構成しています。

ちなみに……せっかく指輪物語のボードゲームをプレイしたので、後日あらためて「ロード・オブ・ザ・リング」三部作をすべて鑑賞しました!

すると、ボードゲーム側に映画の要素が驚くほど細部まで落とし込まれていることが分かり、思わず感心しちゃいましたね!ボードゲームで体験した出来事やキャラクターの役割が、映画の随所でリンクしてくるため、「あ、この場面は…!」と気付く瞬間が何度もあり、ボードゲームを先に遊んでいたからこそ味わえる映画鑑賞になりましたよ!

ボドゲ→映画という順番でも、しっかり楽しめるどころか、むしろ相乗効果で面白さが増す感覚を味わいましたね。他のボドゲでは無い、そんな魅力の1つでしたね!

ここからは、本作品の個人的に感じた良い点悪い点を挙げていきます。
悪い点をいくつか挙げましたが、BGGランキングでも、個人的な評価でもトップクラスの1作であるのは間違いないです。

GOOD!

  • 圧倒的なリピート性

BAD…

  • インストが重め
  • ダイスタワーの組立が難しい
  • フロド使用プレイヤーの自由度

〇:スタンドアローン型なのに圧倒的リピート性

本作最大の魅力は、「スタンドアローン型でありながら、圧倒的なリピート性を誇る点」に尽きます。

スタンドアローン型とは、1回のプレイで完結し、物語や進行状況を次回へ引き継がない形式の作品を指します。多くのボードゲームがこの形式に該当しますが、その反面「一度飽きてしまえば終わり」「極端な場合、1プレイで満足してしまう」という弱点も抱えがちです。そのため、スタンドアローン型で高いリピート性を実現している作品は、それだけで非常に評価が高いと言えます。仮に価格がやや高めでも、総プレイ時間で換算すればトータルのコストパフォーマンスは自然と良くなります。

本作がその水準に達している理由は明確で、キャラクターの種類と目的カードの組み合わせが非常に豊富であること、そして難易度調整が細かく設計されている点にあります。初期条件が変わるだけで求められる戦術や立ち回りが大きく変化するため、同じシナリオであっても毎回異なるプレイ感が生まれます

キャラクター種

各キャラクターにはそれぞれ固有の出身地が設定されており、あわせて2~3種類の特殊能力を持っています。ゲーム開始時は、そのキャラクターの出身地からスタートする仕組みのため、初期配置はキャラクターごとに大きく異なります。この時点で、毎回のプレイ展開に明確な差が生まれるのが特徴です。

特殊能力の内容も多彩で、敵軍の殲滅や敵拠点の占領に特化したもの、マップ上の移動を大きく補助するもの、さらには敵のヘイト管理に関わる能力など、役割ははっきりと分かれています。本作は全体的に難易度が高めに設計されているため、これらの能力を適切に活用しなければ攻略は困難です。

そのため、選択したキャラクター種に応じた立ち回りが強く求められ、キャラクターの組み合わせが変わるだけで戦略やゲーム感は一変します。結果として、キャラセットが異なればほぼ別のゲームを遊んでいるかのような感覚で楽しめる点も、本作の大きな魅力と言えるでしょう。

目的カード種

本作では「目的カード」と呼ばれる、各プレイごとに設定される達成目標が存在します。物語の軸は原作『指輪物語』と同様で、最終目標はサウロンを打倒するための「一つの指輪の破壊」です。この目的カードは必須で、必ず選択したうえでゲームを開始します。

難易度ごとに使用する目的カードの枚数が定められており、指輪の破壊以外にも複数枚の目的カードを選択してプレイすることになります。なお、最終目標である指輪の破壊は、他の目的カードをすべて達成してからでなければ実行できません

各目的カードにはマップ上の特定地域で発生する固有のミッションが設定されており、最終目標の舞台となる敵地だけを目指せばよいわけではありません。マップ上の移動にもターンを消費するため、どの地域で、どの目的を、どの順番で達成するかといった計画性が非常に重要になります。

選択する目的カードの組み合わせによって、求められるルートや戦略は大きく変化します。キャラクター選択と同様に、目的カードの選択もプレイ体験を根本から変える要素となっており、両者の相乗効果によって本作は非常に高いリピート性を実現しています。

×:パンデミックシリーズと比較してインストが重め

ここからは、本作を遊んでいて感じた欠点について触れていきます。

欠点としてまず挙げたいのは、「パンデミックシリーズと比較してインストがやや重めである」点です。

もっとも、この点については本作最大の長所である“圧倒的なリピート性”とのトレードオフでもあり、ある程度は仕方のない部分だと感じました。基本システム自体はパンデミックシリーズを踏襲しているため、経験者であれば
①アクションの実行
②プレイヤーカード2枚ドロー
③敵カードの処理

という一連の流れや、脅威度によって状況が徐々に悪化していく感覚は比較的スムーズに受け入れられるでしょう。

一方で、本作の特徴でもある豊富なキャラクター種と目的カード種は、プレイ体験を大きく変化させる要素である反面、理解すべき情報量がかなり多くなっています。キャラクターの能力や初期配置、目的カードごとの勝利条件や立ち回り方を把握していないと、適切な戦略を立てることが難しく、これらの理解度がゲームの成否に直結します。

そのため、毎ゲーム開始時には選択したキャラクター種と目的カード種を確認し、「今回はどう立ち回るべきか」を改めて整理する必要があり、この準備段階の負荷は決して軽くありませんでした。実際、キャラ種や目的カード種を一通り経験するまでには十数回のプレイを要しましたが、その間は常に新しい要素を覚え続ける感覚が付きまといました

高いリピート性を誇る一方で、インストや事前理解のハードルはやや高め。本作は、腰を据えてじっくり向き合うタイプの協力型ボードゲームだと言えるでしょう。

×:バラド=ドゥールダイスタワーの組み立てが難しい

次に2点目は、「バラド=ドゥール ダイスタワーの組み立てが難しい」ことです。

このバラド=ドゥール ダイスタワーは、本作のダイスアクションを補助するための組み立て式パーツで、タワー上部からダイスを投入することで、省スペースかつ安定したダイスロールが行える仕組みになっています。本作はマップが広く、盤面上には細かな駒も多く配置されるため、通常のダイスロールは意外とやりづらい場面が多いです。その点、このダイスタワーは実用性が高く、見た目も相まって雰囲気づくりに一役買ってくれる良い要素だと感じました。

しかし問題はその組み立て工程です。ダイスタワーは全22個の打ち抜きパーツで構成されており、組み立て自体がやや煩雑なうえ、パーツ同士を差し込む挿入口が一部かなりタイトに設計されています。ボードゲーム経験者であれば想像がつくと思いますが、厚紙製のパーツは決して耐久性が高いわけではありません。無理に押し込もうとすると、凸部分が潰れたり、摩耗してしまうリスクがあります。実際、この作業はかなり神経を使い、正直ストレスを感じました。

ぼどわん

挿入口をカッターで広げた方がやりやすいね!

幸いなことに、一度組み立ててしまえばその後は解体する必要がなく、組み立てたまま箱に収納できる設計になっています。その点は救いであり、初回さえ乗り切れば以降は快適に使用できるでしょう。

×:フロド使用プレイヤーの自由度

最後に3点目の欠点として挙げたいのが、「フロド使用プレイヤーの行動自由度の低さ」です。

本作では最終目標である「1つの指輪の破壊」は、キャラクターである“フロド”でなければ実行できません。そのため、プレイヤーのうち必ず1人はフロドを担当する必要があります。これは原作『指輪物語』のストーリーラインを忠実に再現した設定です。

一方で、ゲーム的な役割としてのフロドは明確に制限を受けています。フロドは敵地“モルドール”から最も遠い“ホビット庄”の出身であり、マップの端から端までを横断する長距離移動を求められます。しかし、指輪を所持しているフロドは常に“サウロン”の監視下に置かれ、“ナズグール”に付きまとわれる存在です。この状態で安易に移動アクションを行うと敵に位置を察知されやすく、“希望”を失うリスクが跳ね上がり、敗北へと一気に近づいてしまいます。

そのため、フロドは「動きたいが動けない」局面が非常に多く、積極的に盤面を動かす爽快感は控えめです。本作ではこの問題を緩和するため、各プレイヤーは「1人で2キャラクターを操作する」仕様が採用されています。実際のプレイでは、フロドは最小限の行動に留め、もう1体のキャラクターをメインで操作する場面が大半となります。ただし、この仕様にも注意点があります。フロド使用プレイヤーが操作するもう1体のキャラクターが補助的な性能の場合、実質的に「できること」が少なくなり、アクション選択の自由度が下がってしまいます。

実際のプレイでは、縛りプレイとしてキャラクターのランダム選択していましたが、その結果、フロド+サポート寄りキャラという組み合わせになると、どうしても受動的なプレイになりがちでしたね。

プレイの感想(ネタバレあり)

ここからは、ボドゲのコンテンツにより触れた内容を共有していきます!
プレイング上の攻略ポイントや小技も含め解説していきたいと思います。

ぼどわん

ネタバレが入るので、見たくない方は先に進まないように!

キャラクター

本作に収録されているキャラクターは全13種と非常に豊富で、それぞれが明確に異なる役割と個性を持っています。すべてをここで詳細に解説するのは分量が多いため、キャラクターごとの能力や運用については別記事にて詳しく紹介することにします。

印象に残った目的カード

本作には、目的カードが全24種も収録されています。
導入/通常モードでは4枚、英雄的/叙事詩的モードでは5枚の目的カードを使用しますが、そのうち1枚は必ず勝利条件である「1つの指輪の破壊」で固定されます。つまり、1プレイで実際にランダムに選ばれる目的カードは3~4枚という計算になります。

この仕様を踏まえると、すべての目的カードを一通り体験するためには、最低でも6回以上のプレイが必要になります。1回ごとのプレイ体験が大きく変化する設計となっており、本作のリプレイ性の高さを強く印象付ける要素と言えるでしょう。

全24種を個別に紹介すると相当な分量になってしまうため、ここではその中でも特に印象に残った目的カードをいくつかピックアップし手紹介します。

バルログと対決する

「バルログと対決する」は、ガンダルフ専用の目的カードであり、ガンダルフの使用が必須となる目的です。本作に収録されているすべての目的カードは『指輪物語』のストーリーラインを反映した内容となっており、本目的カードも原作における重要な一幕を再現したものとなっています。

この目的カードの背景は、以下のエピソードに基づいています。

【山頂の戦い】
1月23日、白日の下のケレブディル山頂においてガンダルフとバルログの最後の闘いが行われ、この闘いの激しさのためにドゥリンの塔は毀たれた。バルログは再び火焔を吐き出して反撃に転じたが、長い戦いの末、25日にガンダルフはバルログを山腹に投げ落として勝利する。しかしガンダルフ自身も負った傷のために山頂に斃れた。
この後、ガンダルフは再び送り返されて蘇生。ガラドリエルに遣わされたグワイヒィルによって山頂から救出されてロスローリエンに運ばれた。そこで治療を受けたガンダルフは白衣に装われ、『白のガンダルフ』として復活した。

山頂の闘い - 中つ国Wiki

本目的カードは、目的達成そのものの難易度は比較的低めです。ただし、達成過程で“希望”を失うリスクが伴い、それを回避するためには「抵抗」「勇気」トークンの消費がほぼ前提となります。そのため、「抵抗」トークンを大量に必要とするフロドとペアを組ませるのは相性が悪く、編成段階で注意が必要です。

また、本目的カードには非常に特徴的な特殊効果が設定されています。目的達成後、ガンダルフは盤面から一時的に除外されます。これは原作同様、バルログ打倒後に斃れる展開を再現したもので、次に「空が暗くなる」カードをドローしたタイミングで、“白のガンダルフ”として盤面に帰還します。

この“白のガンダルフ”がとにかく強力です。固有能力「光と焔」は、通常時であれば「勇気」トークンを支払って戦闘ダイスを1個変更する効果ですが、白のガンダルフ状態ではダイスすべてを任意の結果に変更可能になります。部隊駒を1体でも随伴させていれば、敵部隊をほぼ無傷で蹂躙できるほか、厄介なナズグールの殲滅も容易です。

唯一の難点は目的達成後の盤面からの離脱期間ですが、本作品では「空が暗くなる」カードはざっくりと来るタイミングを予知することができます。運任せだと通常5~6ターンに1回の頻度で来ることになるので、カード状況を序盤から把握していれば場合によっては1~3ターン以内に引くことが確定するケースがあります。この時に目的カードをクリアするように仕組むと、ただただ圧倒的な性能を持つ白のガンダルフを比較的リスクなく使用することができますね!

ミナス・モルグルを占領する

「ミナス・モルグルを占領する」は、敵地モルドール内に存在する冥王軍の砦を制圧することを目的としたミッションです。対象となるミナス・モルグルはモルドールの玄関に位置しており、立地条件からして非常に過酷な目的カードとなっています。

そもそもモルドール内は、敵部隊の初期配置が多い上に、「ヌールン」から次々と敵部隊が湧き出てくるため、常に敵が密集した状態になりがちです。冥王軍の砦を占領するには、そのエリアに存在する敵部隊を一体残らず殲滅する必要があり、状況次第では10体前後の敵部隊をまとめて処理しなければならない場面も発生します。この条件だけでも、本目的カードがいかに高難易度かが分かりますよね…。

今回は、叙事詩的難易度の特殊シナリオ「執政の息子たち」にて本目的カードをプレイしました。このシナリオでは、敵地モルドールに近いゴンドール領域でノーコスト招集が可能なボロミアの使用が実質必須となります。大量の部隊駒を招集し、フロドと共に敵地へ突入、大規模な戦闘を繰り広げることで、ようやくクリアにこぎつけることができました。

なお、このシナリオでは2度の失敗を経験していますが、その要因の一つが本目的カードの圧倒的な難易度にあることは間違いありません。準備不足や判断ミスが即致命傷になりかねず、編成・立ち回り・運のすべてが要求される、屈指の高難度目的カードでしたね!

プレイのコツ

本作品では「導入」の初期難易度でも、プレイに慣れるまでは2回ほど失敗を経験しました。しかし、一度基本的なルールや各キャラクターの特徴に慣れてしまえば、高難易度の叙事詩的モードの特殊シナリオまでは、失敗なく攻略できるようになりました。

とはいえ、まだ未知の「伝説的」難易度が残されていることを考えると、本作は間違いなく高難易度のボードゲームです。ここからは、実際のプレイで感じた攻略のコツについて触れていきます。

攻略ポイント

・味方部隊駒の1体配置を活用する
・モリア~ドル・グルドゥアラインを占領する
・目的の達成を優先で動く
・多人数プレイの方が難易度が下がる

味方部隊駒の1体配置を活用する

本作の戦闘システムは、一見するとシンプルながら、理解するほどに独特な駆け引きが見えてくる設計になっています。味方が敵に攻撃を仕掛ける場合、使用できる戦闘ダイスの数は味方部隊駒の数が上限(最大3個)となり、その範囲内で任意の数を選んで振ることができます。一方で、敵部隊が味方に戦闘を仕掛けてくる場合は仕様が異なり、「任意」ではなく敵部隊駒の数だけ戦闘ダイスを振ります。つまり、こちらの部隊駒が1体しかいなくても、敵部隊が3体以上いれば、敵は最大数である3個の戦闘ダイスを振って全力で攻撃してくるというわけです。

戦闘ダイス自体は運の要素を含むものの、全体的なバランスとしては自軍がやや有利、もしくはイーブンです。そのため、部隊駒の数が同程度であれば、双方がほぼ同等の被害を受けることが多い印象です。しかし、敵が攻撃側に回る場合には、味方部隊駒<敵部隊駒という状況が発生しやすく、結果として「攻めてきた割には敵の方が大きな被害を受ける」という場面もしばしば見られます。

このルール上の特性を活かしたテクニックとして非常に強力なのが、複数の敵部隊が進軍してくるルート上に、あえて味方部隊駒を1体だけ配置する戦法です。これにより、敵は最大数のダイスで戦闘を仕掛けてくるものの、結果的に敵部隊が自滅する状況を誘発でき、効率よく敵戦力を削ぐことが可能になります。

本作は、目的の達成と敵部隊の殲滅のバランス調整が非常に難しく、「敵を処理して余裕を作り、その隙に目的を進める」という流れが基本となります。そのため、敵部隊をいかに効率よく倒すかが攻略の重要なカギです。敵部隊は無限に湧き続ける一方で、こちらの部隊駒は一部の能力持ちキャラクターを除き、招集に友情トークンを消費するため有限です。こうしたリソース制限の中で、この戦闘ルールを利用した小技は非常に有効であり、安定した攻略を支える重要なポイントの一つだと感じました。

モリア~ドル・グルドゥアラインを占領する

前述の通り、本作では敵軍が無限に湧き続けるため、「敵軍をどう処理するか」が攻略全体の核となります。敵軍の対処方法としては、戦闘に勝利し続けて数を減らすという対症療法的なアプローチだけでなく、冥王軍砦を占拠することで敵軍の発生源そのものを断つという原因療法的な手段が用意されています。

冥王軍砦は敵軍がポップする起点となっており、ここを抑えることでマップ全体に出現する敵軍の総量を大きく減らすことが可能です。砦の占拠に成功すれば、以降の盤面が一気に落ち着き、目的カードの達成を円滑に進められるようになります。

勝利条件である「1つの指輪の破壊」では、基本的にマップ左上から右下へと進軍するルートが求められます。そのため、中盤から終盤にかけては、マップ上部に位置する敵軍の処理が非常に煩雑になってきます。特に厄介なのが、モリアおよびドル・グルドゥアの冥王軍砦です。これらの拠点から出現する敵軍は、マップ全体へと広がる進軍ラインを形成するため、放置すると瞬く間に盤面が敵で散りばめられます。

この進軍ラインを早い段階で断つことができれば、クリア確率は大きく向上します。なお、ドル・グルドゥアは占領自体は可能なものの、モリアからの進軍ラインの先に位置しているため、ドル・グルドゥア単体を抑えても依然として敵軍が流れ込んできます。そのため、基本的にはモリアから先に制圧する方が安全かつ安定した選択だと感じました。

目的の達成を優先で動く

本作の明確な勝利条件は「1つの指輪の破壊」です。パンデミックシステムを踏襲しているだけあり、プレイが進行するにつれて状況が徐々に悪化していく構造が巧妙に組み込まれています。終盤に近づくほど敵軍の処理は苛烈になり、希望を失うリスクも増大し、その結果として「1つの指輪の破壊」に失敗する可能性が高まっていきます。

そのため、本作を安定してクリアするうえで重要になるのが、常に「目的の達成を最優先で動く」という意識を持つことです。敵部隊駒の処理は確かに重要ですが、盤面の制圧に固執しすぎるとアクションを浪費し、かえって勝利条件から遠ざかってしまいます。

実際にプレイしていると、敵軍の圧があまりにも厳しい状況では、あえて自軍の拠点を捨て、希望を失うことを受け入れたうえで、アクション数を浮かせて目的の達成を急ぐ方が合理的と感じる場面が多々ありました。特に、フロド使用プレイヤーの「友情」「隠密」「指輪」トークンが十分に揃っている状況では、この判断が非常に有効に機能します。

「1つの指輪の破壊」に必要な条件が整い始めたのであれば、盤面の細かな立て直しに時間をかけるよりも、迅速に目的達成へ向けたアクションを重ねることが最善策と言えるでしょう。本作は、終盤に粘るゲームではなく、機を逃さず一気に勝利を掴みにいくゲームであることを強く実感させられました。

それでもクリアできないなら多人数プレイがオススメ

本作では、1プレイヤーにつき2キャラクターを同時に操作してゲームを進行します(ソロプレイ時のみ例外で、1人で4キャラクターを操作)。そのため、2人プレイでは盤面に4キャラクター、4人プレイでは最大8キャラクターが並ぶことになります。

特徴的なのは、本作はプレイヤー人数が多いほどクリア難易度が下がる傾向にあるです。協力ゲームでは珍しい設計で、攻略に行き詰まった場合、レアケースではありますが「あえて人を増やす」という選択肢が現実的に機能します(笑)。

難易度が低下する主な理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、自軍を強化できるキャラクターの採用機会が増えることです。敵軍の処理は本作において最も労力を要する要素ですが、部隊駒の招集を得意とするキャラクターの存在は、盤面の安定感を大きく底上げしてくれます。操作キャラクター数が増えるほど、こうした自軍強化系の有力キャラクターを編成に組み込める可能性が高まります。

2つ目は、ヘイト管理のしやすさです。フロドは常に敵の監視を回避しながら行動する必要があり、そのためにはフロドが存在しないエリアで継続的に戦闘を行い、敵の注意を逸らす動きが求められます。少人数プレイでは、フロドの進行ルートを確保するために味方キャラクターが周囲に集まりがちですが、多人数プレイであれば、ヘイト管理役を各地に分散配置する余裕が生まれます。これにより、フロドの移動が格段に安全かつスムーズになります。

以上の点から、本作は多人数でプレイするほど戦略の幅が広がり、結果としてクリア難易度がやや緩和される設計となっています。行き詰まったと感じたら、ぜひ仲間を呼んで再挑戦してみてください。意外とあっさり突破できるかもしれません。

全体的な所感

個人的には、パンデミックシリーズのスタンドアローン型作品の中では、レガシー型を除いてトップレベルの面白さを感じました。本作は今回一時的にプレイ完了としましたが、他に積みボドゲが多いためここで終了。叙事詩的難易度までクリアしましたが、まだ伝説的難易度が控えており、目的カードが5枚から6枚に増えるため、超高難度が待ち受けています。もちろん、選ばれる目的カード次第では叙事詩的難易度より易しくなる場合もありますが…。

こうしてみると、本作はやり込み要素が非常に高いスタンドアローン型ボードゲームであり、1作として十分満足できる内容でした。

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ぼどわん

二人協力ゲーム専門のレビューブログ
年齢:20代後半
職業:普通の会社員×2
好物:ジャンル問わず協力型
互いに負けず嫌いで対戦ゲームNG…!?
そんな二人の実際ゲームレビュー&紹介


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