アークライトゲームスから2020年1月に発売された『ヌイグルミ騎士団と少女の夢』のプレイが終了しました!
ヌイグルミ騎士団シリーズは、重厚なストーリーブックに沿ってマップ上を駆け巡り、戦闘やイベントを乗り越えながら各章のクリア目標を達成していく物語型のボードゲームです。持ち主の少女に迫る危険を取り除くため、ヌイグルミたちが奮闘する、可愛らしくも楽しい物語が展開されます。
物語は全7章にわたって展開され、6種類のキャラクターたちと共に冒険を進めながら物語の完遂を目指すことになります。各章ではそれぞれ独立した複数のマップを探索することになり、調査・戦闘・イベントなど、さまざまな形で未知の出来事と遭遇します。住民に話しかけることで発生する任意イベントが約30種類、アイテムも約50種類用意されており、1周では遊び尽くせないほどのボリュームが用意されているのも魅力です。
難易度としては極端に苦戦するほどではありませんが、各アクションではしっかり戦略を立てて行動する必要があります。状況を考えずに進めてしまうと一気に窮地に陥ることもあり、決してイージーなゲームではありません。
総じて、物語系のボードゲーム、特にストーリーブック形式の作品が好きな方には強く刺さる作品だと思います。また、小さなお子さんと一緒に遊ぶといった楽しみ方もできるため、大人から子どもまで幅広い層におすすめできるボードゲームでした。
この記事では、”実際のプレイデータ“、評価”、そして”プレイの感想”を共有したいと思います!

ぼどわん(当サイトの運営者)
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ヌイグルミ騎士団と少女の夢の紹介記事、遊び方に関してはコチラから!
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【ボドゲ紹介】「ヌイグルミ騎士団」シリーズ徹底解説
今回紹介するゲームは【ヌイグルミ騎士団】シリーズです! 『ヌイグルミ騎士団』は、冒険型の協力ボードゲームです。ご主人である小さな女の子を守るため、彼女の可愛いヌイグルミ達が夢の中を冒険し、悪さをする怪 ...
Contents
実際のプレイデータと評価
まずは、実際のプレイデータと評価を記載していきますね!

| 作品名 | ヌイグルミ騎士団と少女の夢 |
| プレイ人数 | 2~4人 |
| プレイ時間 | 60-90分/1プレイ |
| ジャンル | 物語型:協力ゲーム、ストーリーブック、ダイスロール |
| プレイ方式 | キャンペーン型 |
| メーカー価格 | 9,350円(2026/2現在) |
| 関連作品 | 2作品 |
| BGG ranking | Rate 6.913:rank:598位/29836 (2026.2) |
| 商品リンク | Amazonリンク |
全7章のシナリオコンプリートに計8回プレイ
本作品は全部で7章のシナリオが存在するキャンペーン型のボードゲームです。二人プレイで本作品を進め、全シナリオ完遂までに計8回プレイしました。
プレイデータ
- プレイ人数 : 2人
- プレイ時間 : 16時間24分(1プレイ123分程度)
- プレイ回数 : 8回
- プレイ期間 : 約1ヶ月(1月12日~2月15日)
本ボードゲームには難易度変更の仕組みは設けられておらず、物語を経るごとに難易度が自然と上がります。難易度的に物足りない方はダイスを調整するなどの柔軟な調整は可能です。
多少の運要素も絡む作品のため、物語の5つ目でハメられる形で敗北を喫しましたが、それ以外はストレートに物語をクリアしていくことができましたね!
物語重視のボードゲームが好きな人必見!
実際にプレイしてみて、『ヌイグルミ騎士団:少女の夢』の評価はコチラの通りになります!
プレイ評価
| 盛り上がり | :4 | |
| 難易度 | :3 | |
| 知略 | :2 | |
| 運要素 | :3 | |
| コスパ(ボリューム/時間) | :3 | |
| おすすめ度 | :4 |
「ヌイグルミ騎士団」はストーリーブックを活用したボードゲームであり、各シナリオの背景からプレイ中の各アクションに至るまで物語が綴られており、少女とぬいぐるみ達が織りなす冒険譚を楽しみながらプレイするゲームです。そのため、ゲーム要素だけでなく物語にも重きが置かれており、物語好きが集えば盛り上がれる作品でしたね。
本作品は大人だけでなく、高学年の子供でも楽しめるような物語となっており、プレイ難易度的にも標準的な仕様でした。実際に7章に渡る物語の中で、1回のみの失敗で完遂できました。
常にダイスアクションが絡み、プレイヤーの選択により分岐する物語となっているので、要素としては運が介在するものの、影響度はさほど高くなく、立ち回りで簡単に回避可能なレベル。とはいえ、高度な戦略を要するものでもなく、難易度相応の作品でした。
価格面は初期投資、1周のプレイ時間を加味すると標準的ではありますが、2周以降も新鮮にプレイ可能なリピート性を踏まえるとやや良好な水準です。2作品目の拡張セットをプレイするのであれば必須なので、その点を考慮いれて判断すると良いでしょう。
【おすすめ度3】の理由としては、ゲーム性だけでなく物語と併せて楽しめる他、1周だけでは全てを体験できない高リピート性であることは評価できます。一方でストーリーブックに記載のルールの曖昧さ、誤字の多さが欠点でした。詳細については後述します。
プレイの感想(ネタバレなし)
さて、本ゲームのプレイ感想に移ります。
本作品の個人的に感じた良い点と悪い点を挙げていきます。
GOOD!
- ゲームシステムと併せて物語が楽しめる
- イベントやキャラ、アイテムが豊富でリピート性が高い
BAD…
- ルールの解釈が難しい箇所がある
- 誤字が多め(一部ひらがなだから?そもそも多い?)
〇:ゲームシステムと併せて物語が楽しめる

本作最大の魅力は、なんと言っても「ストーリーブック」形式のボードゲームである点です。
そもそもキャンペーン型作品の面白さは、スタンドアローン型のように同じ設定を繰り返すのではなく、物語の進行とともに状況やルール、立場が変化していくところにあります。プレイを重ねるごとに世界が広がり、最初とはまったく違うゲーム体験へと変化していく――その連続性こそが醍醐味ですよね。
本作もその魅力をしっかり備えていますが、特筆すべきは“物語の密度”。ストーリーブック形式のボードゲームは数多く存在しますが、本作では単にシナリオに沿って進むだけではないのです。ゲーム中に発生するイベントひとつひとつ、そして各プレイヤーが下す選択の結果すべてに物語が丁寧に用意されています。
つまり、イベントが発生し結果を処理する、で終わるのではなく、その都度きちんと物語として描写されるのです。そのため没入感が非常に高く、まるで物語世界の登場人物の一人として参加し、会話を交わしながら物語を進めているかのような感覚になりました!
全体のトーンは子どもにも親しみやすいように調整されていますが、内容自体は大人がプレイしても十分に楽しめる構成。むしろ「この先どうなるんだろう」と続きが気になり、物語を読み進めるためにプレイしてしまうほどでした。
ゲームでありながら、一冊の冒険譚を体験しているような感覚。それが本作ならではの大きな魅力です。
×:イベントやキャラ、アイテムが豊富でリピート性が高い

次に「リピート性」についてです。
キャンペーン型作品の中には、物語を一度最後まで体験するとほぼ全容を味わい尽くしてしまうものもあります。しかし本作は、その点において明確に一線を画しています。むしろ“1周では足りない”設計になっており、2周目、3周目と繰り返し遊びたくなる構造です。
そのリピート性を支えているのが、イベントの多様さ、キャラクターの違い、そして豊富なカード群です。
まず、物語中に発生するイベントはプレイヤーの選択によって分岐し、その結果もまた選択次第で変化します。全7章を踏破したとしても、未経験のイベントが必ずと言っていいほど残ります。さらに、物語の進め方自体が一本道ではないため、別ルートを辿るだけでも体験は大きく変化します。同じ章構成でも、まったく異なる物語を歩んでいる感覚になるでしょう。
加えて、使用できるキャラクターは6種類。それぞれ立ち回りや得意分野が異なるため、攻略方針そのものが変わります。「あのキャラならどう進めるか」と考え始めると、自然と再挑戦したくなります。
さらに、マップ上で発生する住民カードは29種、アイテムカードは47種と非常に豊富。1回のプレイですべてに触れることはまず不可能で、周回するごとに新たな組み合わせや展開に出会えます。
体感としては、最低でも2〜3周してようやく“本当の意味で踏破した”と言えるボリューム。単なる周回プレイではなく、毎回違う冒険になる――それが本作の大きな強みです。
×:ルールの解釈が難しい箇所がある

ここからは欠点についても触れていきます。
まず1つ目は「ルールの解釈が難しい箇所がある」点です。
本作は基本となる共通ルールの上に、各章ごとに追加の特殊ルールが適用される構造になっています。そのため、章が進むたびに戦闘方法やマップ攻略の仕方が変化し、毎回異なる感覚でゲームを楽しめるのは大きな魅力です。単調にならず、新鮮な気持ちでプレイできるのは間違いなく本作の強みでしょう。ただその反面、新しいルールをその都度理解し直さなければならない煩雑さもあります。ここまでは「新鮮さとのトレードオフ」として受け入れられる範囲です。
問題は、その“追加ルールの説明がやや曖昧”な箇所が複数存在すること。
文章を文字通り解釈すると処理が破綻してしまう場面があり、「これはどう処理するのが正しいのか?」と立ち止まる瞬間がありました。結果的に、ハウスルール(独自解釈)で処理せざるを得ないケースも発生します。これが1か所程度であれば、「まあご愛敬かな」と流せるのですが、複数回あるとさすがに気になってきます。
柔軟に「まあこういうことだろう」と前向きに解釈できるタイプのプレイヤーなら、それも含めて楽しめるかもしれません。しかし、ルールの明確さや整合性を重視する人にとっては、ややストレスに感じる可能性はありますね。完成度が高いだけに、細部の詰めの甘さが少し惜しい、そんな印象でした。
×:誤字が多め(一部ひらがなだから?そもそも多い?)
2つ目の欠点は、1つ目と比べれば些細ではありますが、「物語中の誤字」です。
本作はストーリーブック形式ということもあり、かなりの文章量が収録されています。これだけのボリュームがあれば、多少の誤字脱字が出てしまうのは仕方ないとも言えますし、実際プレイに致命的な影響が出るわけではありません。
ただ、先に触れたルール説明の曖昧さと同様に、「もう一歩詰められたのでは」と感じてしまう部分でもあります。本作は物語への没入感を大切にしている作品だからこそ、文章の完成度はより重要に思えてしまうんですよね。
しかも本作は子供でも読めるように難しい漢字をひらがなにするなど、配慮が随所に見られます。読みやすさへの工夫や調整が多い分、文章作成には相当な労力がかかっているはずです。それを踏まえても、1ページに1つ見つかる勢いで誤字があると、さすがに少し気になってしまいます。
ゲーム体験そのものを損なうほどではないものの、完成度の高い作品だからこそ細部まで丁寧であってほしかった――そんな“惜しさ”を感じるポイントでしたね。
プレイの感想(ネタバレあり)
ここからは、ボドゲのコンテンツにより触れた内容を共有していきます!
プレイング上の攻略ポイントや小技も含め解説していきたいと思います。
キャラクター
本作に登場するキャラクターは全6種。全7章を遊び切るうえでは、やや多めの収録数と言えます。
各キャラクターには「基本能力」と「特殊能力」が設定されています。基本能力は毎ターン、ノーコストで発動できる継続的な力。一方、特殊能力はプレイ中に獲得する“はあとトークン”を消費し、3種の強力なスキルから選んで発動する仕組みです。
特に重要なのは基本能力です。本作はぬいぐるみを模した世界観ゆえか、防御面が非常に脆く、想定外のダメージで一気に崩れる展開も珍しくありません。そのため、事故を防げる効果や安定感を高める能力が高評価になりやすい傾向があります。
以上を踏まえ、ここから各キャラクターの特徴と使用感を簡単に紹介していきます。
セアドラ【評価:】

ぬいぐるみたちの中でリーダーシップを発揮し、皆を率いるくまの女の子のぬいぐるみが「セアドラ」です。
セアドラは優秀な基本能力を持ち、どの物語でも安定して活躍できる汎用性の高さが魅力のキャラクター。個人的には本作の中でも特に強力なキャラクターだと感じましたね。
セアドラの基本能力は、アクションダイスを1つ捨て山のダイスと交換できるというもの。本作では捨て山のダイスをダイス袋に戻す機会も多く、そもそも捨て山が存在しない状況もありますが、基本的には好きなダイスを1つ確保できるため、戦闘・能力判定・探索などあらゆる場面で活躍します。後半になると戦闘でダイスを2個以上使わないと倒せないボスも登場するため、毎ターン交換できるこの能力は非常に強力でしたね。
さらにセアドラが持つ特殊能力は、ダイスの振り直し、状態回復、ダイスの引き直しの3種類。自分だけでなく味方のピンチも一気に立て直すことができる効果ばかりで、致命的な状況を覆すことも可能です。基本能力と合わせて、どんな局面でも柔軟に対応できる万能型のキャラクターでした。
ランピィ【評価:】

泣いてばかりで、いつもおろおろしている象の男の子のぬいぐるみが「ランピィ」です。
ランピィはディフェンシブ寄りの能力を持つキャラクターですが、窮地を凌ぐことには長けているものの、他キャラクターのように状況を大きく好転させるほどのパワーは持っていない印象でした。
ランピィの基本能力は青ダイスの振り直しです。青ダイスは主に移動アクションに使用されるダイスですが、移動自体は他のダイスでも行えるため、本作の中では比較的重要度が低いダイスでもあります。そのため、この能力が活きる場面は防御時が中心となり、全体としての汎用性はやや低めでしたね。
また、ランピィの特殊能力は「ダメージの肩代わり」「ダメージ低減」「青ダイスの攻撃転換」の3つです。ダメージ関連の2つは仲間を守ったり被害を抑えたりといった役割を果たせますが、あくまでピンチを凌ぐタイプの効果であり、状況を大きく立て直す力までは持っていません。やや守りに寄りすぎていて、じり貧になりやすい能力とも言えます。
一方、3つ目の青ダイスの攻撃転換は、単純にダイス1個分の攻撃力を追加できる効果です。ただし、青ダイスでは武器による攻撃力ブーストの恩恵を受けられないことが多く、火力面でも決定打になりにくいのが惜しいところでした。全体としては防御面では頼れるものの、他キャラクターと比べるとやや控えめな性能のキャラクターという印象でしたね。
フロップス【評価:】

お転婆で快活なうさぎの女の子のぬいぐるみが「フロップス」です。
フロップスは本作において強力な長距離攻撃を支える基本能力を持つキャラクターであり、戦闘面で安定した活躍が期待できます。一方で特殊能力は、汎用性の高い能力が揃っているというよりも、それぞれ異なる場面で役立つ能力が1つずつ用意されている構成で、ややユニークなタイプのキャラクターと言えるでしょう。
フロップスの基本能力は緑ダイスの振り直しです。緑ダイスは長距離攻撃アクションに使用されるダイスであり、弓などの長距離武器との相性は抜群です。攻撃の成功率を安定させることができるため、振り直し系の基本能力の中でもかなり優秀な部類に入る能力でしたね。
また、フロップスの特殊能力は「防御ダイスの倍増」「ワープ」「緑判定の即時成功」の3つです。防御ダイスの倍増は非常に強力で、基本能力の緑ダイス振り直しと組み合わせることで、防御判定ではかなり安定して敵の攻撃を防ぐことができます。敵の攻撃をほぼシャットアウトできる場面もあり、守りの面でも頼れる能力でした。
一方で、「ワープ」と「緑判定の即時成功」は特定のマップや状況で真価を発揮するタイプの能力です。うまく刺さる場面では非常に便利ですが、常に活躍するような能力ではないため、全体としての汎用性はやや低めで使用頻度もそこまで多くはありませんでした。それでも長距離攻撃の安定性という明確な強みを持っており、戦闘面でしっかり役割を果たせるキャラクターという印象でしたね。
ライオネル【評価:】

勇敢で常に好戦的なライオンの男の子のぬいぐるみが「ライオネル」です。
ライオネルは攻撃に特化した能力構成を持つキャラクターで、敵を素早く倒すことに長けたパワータイプと言える存在です。防御や補助よりもとにかく敵を倒すことに重きを置いた性能で、戦闘では非常に頼りになるキャラクターでしたね。
ライオネルの基本能力は赤ダイスの振り直しです。赤ダイスは近距離攻撃アクションに使用されるダイスであり、フロップスの緑ダイスと同様に、攻撃の安定性を高めることができる優秀な能力です。近距離戦闘の成功率を底上げできるため、振り直し系能力の中でも特に扱いやすい能力と言えるでしょう。
また、ライオネルの特殊能力は「雑魚敵への反撃」「状態異常の付与」「ダメージの上乗せ」の3つです。まず雑魚敵への反撃能力は非常に優秀で、赤ダイスで防御に成功すれば反撃によって敵をそのまま討伐することができます。しかもこの能力は事前に宣言する必要がなく、ダイスの結果を確認してから発動できるため、確実に倒せるタイミングで使えるのが大きな強みです。基本能力によって赤ダイスを振り直せることもあり、敵の攻撃がそこまで強くなければそのまま処理できる場面も多く、非常に使い勝手が良い能力でした。
さらにダメージの上乗せ能力も優秀で、綿トークンの数だけダメージを追加できるため、実質的にはダイス1個分の攻撃力を追加しているような感覚で使えます。追加ダメージが確定値であるため計算もしやすく、ボス戦などでもダメージ計画を立てやすい点も魅力でした。全体として攻撃面にしっかりと強みが集約されており、敵を素早く排除する役割においては非常に頼れるキャラクターという印象でしたね。
スティッチ【評価:】

物知りで生き字引のような存在の、古びたくつしたの男性のぬいぐるみが「スティッチ」です。
スティッチは攻撃を補助する能力と、敵の行動を妨害するユニークな能力を併せ持つキャラクターです。サポート寄りの能力構成でありつつも、一部では攻撃面にも関わる能力を持っているという少し変わった立ち位置のキャラクターでしたね。
スティッチの基本能力は黄ダイスの振り直し能力です。黄ダイスは探索アクションに使用されるダイスであり、振り直し系能力の中ではやや扱いにくい部類という印象です。探索は重要な要素ではあるものの、戦闘のように頻繁に結果が生死を左右するわけではないため、他の色ダイスの振り直し能力と比べるとどうしても評価は少し落ちる能力と言えるでしょう。
また、スティッチの特殊能力は「攻撃ダイスの加算」「敵の行動妨害」「探索の成功」の3つです。攻撃ダイス加算は攻撃力を底上げできる能力ではありますが、追加されるのが黄ダイスであるため武器のダメージ加算の恩恵を受けることができず、純粋な攻撃キャラクターと比べると火力面ではどうしても見劣りします。
敵の行動妨害能力は一見するとユニークで強そうに見えるのですが、実際のプレイではやや使いどころが難しい能力でした。例えば2人プレイなら敵は2体、3人プレイなら3体と複数体が行動することが多く、はあとを消費して1体の行動を止めたとしても、残りの敵が動いてしまうため状況が大きく好転する場面はあまり多くありませんでしたね。
探索成功の能力については、特定の場面では安定して探索を進められる便利な能力ではありますが、戦況を大きく変えるほどのインパクトは少なめでした。全体として、能力自体はユニークではあるものの決定力には欠ける場面も多く、他キャラクターと比較するとやや評価が分かれる性能という印象でしたね。
ピッグル【評価:】

常に前向きで、どんな状況でも仲間に協力しようとするぶたの女の子のぬいぐるみが「ピッグル」です。
ピッグルは汎用性の高い紫ダイスに関する能力を持っており、自然と多くの場面で活躍できるキャラクターです。攻撃・探索・判定など様々な場面で関わる紫ダイスを扱えるため、特定の状況に依存せず安定して役立つのが特徴ですね。
ピッグルの基本能力は紫ダイスの振り直し能力です。紫ダイスは攻撃専用の赤ダイスや遠距離攻撃の緑ダイスとは異なり、様々な能力判定で使用できるダイスであるため非常に汎用性が高いです。武器のダメージ加算の恩恵こそ受けられませんが、その分幅広い場面で使用されるため、振り直し能力としてはかなり優秀な部類に入ると言えるでしょう。
また、ピッグルの特殊能力は「状態回復」「捨て山から紫ダイス提供」「紫ダイスの出目変更」の3つです。状態回復の能力は特に有用で、「心を痛めて」状態は住民カードやイベントで発生することが比較的多く、さらに状態異常によるデバフはこのゲームではかなり重いものが多いため、即座に回復できる能力は非常にありがたい存在です。
さらに、捨て山にある紫ダイスを味方に提供できる能力も汎用性が高く、必要なタイミングでダイスを追加できるのはチーム全体の行動の幅を広げてくれます。ダイス供給という意味ではかなり使いやすい能力でしたね。
一方で紫ダイスの出目変更能力は、一見すると便利そうに見えるものの「出目が1のときにしか使用できない」という条件があるため、実際のプレイでは意外と使用機会が限られる能力でした。状況が合えば有効ですが、狙って使うのは少し難しい印象です。
総じてピッグルは派手な決定力こそないものの、安定したサポート能力と紫ダイスの汎用性によって様々な場面でチームを支えることができる、バランス型の優秀なキャラクターと言えるでしょう。
印象に残った物語レビュー
本作は全7章にわたって物語が展開されます。少女に迫る危険を取り除くため、プレイヤーは夢の世界へと身を投じ、そこで様々な目的を達成していくことになります。その目的ごとに短編のような物語が用意されており、それぞれが独立したエピソードとして進んでいく構成になっています。
物語が進むにつれて難易度も徐々に上昇していき、後半になると各ターンでの判断が非常に重要に。しっかり状況を整理して行動を選ばなければ、あっという間に追い詰められてしまうシビアさがありましたね。
今回は、その中でも特に印象に残った物語を一つ紹介したいと思います。
物語
- 物語1:小さな女の子の大きなベッド
- 物語2:水の流れる音
- 物語3:幼稚園
- 物語4:わるいやつら
- 物語5:歯の妖精
- 物語6:注射はイヤだ
- 物語7:ひとりでいること
物語7:ひとりでいること

物語7は本作の最終章にあたり、シリーズの集大成ともいえる難易度が待ち受けています。最大の壁となるのはラスボス「怒れるスクリーラ」ですが、真に厳しいのはそこへ至るまでの道中です。雑魚敵との連戦に加え、通常のスクリーラとの戦闘、そして最後に怒れるスクリーラとの決戦と、休む間もない戦闘が続きます。物語6のボスであるクレピタスの方が単純な攻撃力だけ見ればやや上ではあるものの、スクリーラは範囲攻撃や状態異常など多彩な攻撃を持ち、総合的な脅威度はかなり高め。連戦によって体勢を整える余裕が少ない中、状態異常で強力な状態カード「勇敢」を奪われる場面もあり、じわじわと追い詰められていきます。
そしてついに対峙する「怒れるスクリーラ」は、通常のスクリーラよりも攻撃面が強化されており、最大ダメージはなんと8。防御ダイスで最高値の6を出しても完全には防ぎきれず、防御ダイスを失ったうえで綿トークンを2つ失うほどの威力です。そのため、はあとトークンの確保や特殊能力による防御、あるいはアイテムカードによる強化が重要になります。ただし、必要なアイテムを引けるかどうかは運次第。防御に失敗すれば一瞬で形勢が崩れる、非常にシビアな戦いでした。
なお、戦闘の厳しさを感じた大きな理由は敵の体力にもあります。通常のスクリーラは体力8でまだ許容範囲ですが、「怒れるスクリーラ」は体力11。アイテムや能力による補助がなければダイス3つ以上での攻撃が基本となり、高火力攻撃のリスクを抱えながら攻撃タイミングを見極める必要があります。守りながら攻めるバランスを常に求められる、まさに最終章らしい激戦でした。
実際のプレイでは、フロップスをタンク役に据え、攻撃のタイミングを整えてセアドラで大ダメージを狙う戦術で突破しました。フロップスの「かがむ」で防御ダイスの出目を2倍にし、さらにアイテムカード「砂バケツ」と組み合わせることで、防御成功時にはあとトークンを回収。実質的に消費なしで防御を強化できる形になりました。加えてフロップスは毎ターン緑ダイスを振り直せるため、出目が悪くてもリカバリー可能。さらにそれでも低い出目が出た場合は、セアドラの才覚で再度振り直しができるという、いわば“鉄壁”の防御体制が機能しました。それでもセアドラのはあとトークンは徐々に削られ、最後まで気の抜けない戦いでしたね。
ちなみに本物語は、「怒れるスクリーラ」を倒さずに平和的に解決するルートも存在します。本作らしいマルチエンディングの仕掛けですが、今回はフロップスと砂バケツの組み合わせを引き当てたこともあり、結果的に正面突破で決着をつける形になりました(笑)。
プレイのコツ
1周プレイして感じたコツとしては、下記の通りです。ミスが出たのは物語5のみでしたが、ワンミスに留まり、最終的にはすべての物語をクリアすることができました。そう考えると、今回挙げている指針もそこまで大きく外れたものではないのではないかと思います。
はあとトークンは出し惜しみしない

本作品では、各物語をプレイしている最中に進捗度を確認する手段がありません。そのため、慣れて感覚をつかむまでは、特殊能力を発動できる「はあとトークン」を貴重なものだと思い、つい温存してしまいました。しかし実際には、気づいたらそのまま物語をクリアしていた、ということも何度かありました。
雑魚敵との戦闘は意外と手間がかかり、プレイ時間が長引きがちです。一方で、戦闘自体にそこまで大きな恩恵があるわけでもありません。そのため、特殊能力を使える場面があるなら無理に温存せず、サクサク突破するために活用していくプレイの方が快適だと思います。
勿論、戦闘するのは楽しいけどね!
防御ダイスは確実に備える

防御ダイスは、使用しなかったダイスをカード上に保管しておき、攻撃を受けた際にその出目に応じてダメージを軽減できる仕組みです。ただし、防御ダイスは敵のダメージが出目を上回ると消失してしまい、再びダイスをセットする必要があります。防御ダイスがない状態で攻撃を受けてしまうとダメージを軽減する手段はなく、そのままダメージを受けることになります。本作は体力面があまり高くないゲームなので、油断していると意外とあっさり気絶してしまいます。
物語の進行中は、マップ上での行動やイベントによって突然戦闘が発生したり、ダメージを受けるイベントが起こることもあります。とはいえ、ストーリーブックを先読みすることは基本的にできないため、事前に備えておく必要があります。そのため、防御ダイスは初手で準備しておき、常に切らさないようにしておくのが安全なプレイと言えるでしょう。
無駄な戦闘は避ける
本作では、必ずしも戦闘を行わなくても物語をクリアできるように、柔軟なクリアルートが用意されています。基本的には戦闘に勝利することで、アイテム交換に使用できる「きれいなボタン」を入手できるメリットがあります。ただし交換できる場所は限られており、それ以外のメリットとしては、リーダーを倒すことで「勇敢」の状態異常を得られる程度でしょうか。
一方で、戦闘にはいくつかのデメリットも存在します。綿トークンを失う可能性があること、はあとトークンを消費すること、物語のクリアまでの時間が長引きやすいこと、さらには戦闘が新たな戦闘を呼び、じり貧になりやすい点などです。
中盤までは戦闘を楽しみながら物語を進めることもできますが、終盤になると状況は変わります。無駄な戦闘はできるだけ避け、来るべき場面で全力を出せるよう準備しておくことが、クリアに向けてはより重要になってくるでしょう。
出来る限りアイテムカードは厳選する
本作では、戦闘に勝利することで「きれいなボタン」を入手でき、特定の場所でアイテムカードと交換することができます。ただし終盤の物語になると交換できる場所がかなり限定されており、マップによっては交換の機会がほとんどなく、きれいなボタンを獲得する意義が薄くなる場面もあります。
一方、別の入手手段として黄ダイスを使用した探索アクションがあり、こちらではランダムでアイテムカードを獲得できます。アイテムカードの内容によって戦闘の難易度は大きく変わるため、余裕がある場面では探索アクションを積極的に行い、できるだけ有利なアイテムを揃えておくのがおすすめです。
全体的な所感
本作は重厚な物語が展開されるストーリーブック形式の作品で、子ども向けでありながら大人でも十分楽しめる良質なストーリーが魅力でした。ストーリーブックが好きな方にはたまらない作品で、何が起こるか分からない展開やマップ、各種イベントなど、常に次の一手が楽しみになる構成になっています。
戦闘バランスや細かな誤植など、気になる点がいくつかあるのも事実ですが、難易度も含めて全体としては満足度の高い作品でしたね。