ボードゲーム レビュー

【評価/感想】卓上探偵団:グランドホテルでデュエットを

Group SNEの卓上探偵団シリーズである『グランドホテルでデュエットを』のプレイが終了しました。

マーダーミステリー作品では、プレイヤーの中に犯人がいる人狼形式のボードゲームも存在しますが、卓上探偵団シリーズ協力型のマーダーミステリー作品で、供述や状況などに基づいて推理し、事件を正確に解き明かすことが目的となります。最後には点数化されてプレイヤーの探偵レベルが分かりますよ!

今作の「グランドホテルでデュエットを」は、公式では中級カテゴリでしたが、個人的には非常に簡単なマーダーミステリー作品でした。しっかり全ての謎を解き明かし最高ランクを獲得しましたよ!

 温暖な海に浮かぶ小さな島。高級ホテル「デュエット」では、夕日を望む屋外でディナーパーティが開かれる予定だった。
 しかし開始時刻直前、客のひとりがふと空を見上げると、高層階から落ちてくる人影が! 人々がざわつきながら落下地点へと駆け寄ると、その人物は宿泊客のひとり、政治家・ワシントンであった――。

この記事では、”実際のプレイデータ“評価”、そして”プレイの感想”を共有したいと思います!

ぼどわん

ぼどわん(当サイトの運営者)

  • 一般企業勤めの20代後半
  • 協力系ボードゲーム、謎解き大好き!
  • 負けず嫌いなので対戦系はほどほどに…(笑)
  • 100種類以上のアナログゲームを保有、順次紹介!

「卓上探偵団」シリーズの紹介記事に関してはコチラから!

実際のプレイデータと評価

まずは、実際のプレイデータと評価を記載していきますね!

作品名 卓上探偵団:グランドホテルでデュエットを
プレイ人数 1~4人
プレイ時間 120分/1プレイ
ジャンル マーダーミステリー型
プレイ方式 一度きりの体験
価格 2,420円(25/09)
関連作品 12作品
おすすめ度(個人的)
BGG ranking
ひとこと 協力型マーダーミステリー入門

グランドホテルでデュエットをのプレイデータ

本作品を二人協力プレイで進め、プレイデータは以下の通り。

プレイデータ

  • プレイ人数 : 2人
  • プレイ時間 : 110
  • プレイ回数 : 1回
  • プレイ期間 : 1日(9月10日)

本作品はマーダーミステリー作品なので基本的に一度きりのプレイになります。事件内容を覚えると次できないので!

推理の書き込み用紙はありますが、携帯のメモ機能等を使用すれば、一応非破壊のボードゲームとなります。なので体験した後は売ってしまうのも良いですね!

目安時間通りサクッと2時間弱でプレイが終了しましたよ!

グランドホテルでデュエットをの評価

実際にプレイしてみて、『卓上探偵団:グランドホテルでデュエットを』の評価はコチラの通りになります!

プレイ評価

盛り上がり:2
難易度:1簡単!
知略:5推理系なので知略5
運要素:1運要素あまりなし
コスパ(ボリューム/時間):1
おすすめ度:2
マーダーミステリー入門編

協力型のマーダーミステリー作品なので、一緒に状況証拠を集めて推理して事件の真相を解明する…このプロセスの中で盛り上がれる場所はありますし、一部パーティーゲームとして盛り上がれるような演出を作ってありますね!

本作はマーダーミステリーなので基本的には知略要素がメインで、後述しますが運要素もほぼほぼ排除されてます。比較的、ストーリーも予測しやすく状況証拠も殆ど集まり、最高ランクにたどり着ける難易度になっています。個人的には本作が公式で中級カテゴリになっているのが少し驚きですね。まあ、プレイ層が子供も含むから…ということでしょうかね!

プレイの感想(ネタバレなし)

さて、本ゲームのプレイ感想に移ります。

■ 良かった点 
・筋が通ったマーダーミステリー作品の入門

■ 悪かった点
・最終ランクの設定

〇筋が通ったマーダーミステリー作品の入門

マーダーミステリー作品の中には高難易度を意識するあまり、事件の情報と顛末が乖離しすぎている作品もあったりします。本作では難易度が低め、ということもあるとは思いますが、基本的には推測するのに関しては違和感なく筋の通ったストーリーでした。

ぼどわん

確かにそういうことするよね~、とか納得できる仕掛けだったね

冒頭のあらすじでも記載されていますが、高層階から人が降ってきて宿泊客は騒然…!なんて状況から始まります。アリバイがない容疑者5人が最初から犯人候補として挙げられていて、「5W1H」に基づいて事件の真相に迫ります。本作品では3段階のフェーズに分けて探偵のように情報収集を進めます。各段階で可能な調査数は定められており、プレイヤーで話し合って優先順位をつけて情報を収集し、効率よくかつ正確に事件を収めるのが目的になります。一般的なマーダーミステリー作品のシステムかなと思います。

序盤は情報がなくあらゆる可能性が考えられるので、正直淡々と進めるしかないというか、核心に迫る情報が少ないな~という感想しかないんですが…やはり第二フェーズあたりで点と点が線で繋がるかのように違和感の正体が徐々に明らかになっていくんですよね。この感じは非常に面白かったですね。

公式では中級難易度ですが、個人的には高校生以上であれば初級作品はスキップしても良いかな、と思います。本作がマーダーミステリーの入門でも問題ないですね。

×最終ランクの設定

欠点を挙げるとすれば「最終ランクの設定」です。

本作品には事件の真相を解き明かすための調査フェーズが三段階あります。各調査フェーズで調査可能な数が定められており、指定の数を上限として任意の情報を公開することができます。また第三フェーズにおいては、捜査を早期に打ち切ることができ、未使用の調査権利が追加ポイントとして得られ、最終ランクに反映されます。つまり、「情報を集めて確実に真相を解き明かしたい」という気持ちと「恐らく現時点で深層に辿り着いているはずなので追加ポイントを」という気持ちを天秤にかけ、“どこで調査を終了するか”を判断することになります。この点はボードゲームらしく駆け引きがあるので非常に面白いポイントでした。

理由については“次項の感想(ネタバレあり)“で述べますが、この駆け引きが失われるほどに最終ランクの設定が甘く、8割~9割方最高ランクに到達するのでは、という最終ランクの設定がされています。この点は個人的にはボードゲームとしてマイナスかなと感じました。

正直、「卓上探偵団」シリーズは1作目なので、より高難易度の作品だと事件の推理が難しくなるのか、最終ランクの設定が厳しくなるのかは不明ですが(一般的には推理が難しくなる方だと思う)、この設定だとシステム的にはちょっと緩い感じもします。同じGroup SNE社の「Qシャーロック」シリーズは少しシステムは変わりますが、推理系のボードゲームで、こちらは絶妙なバランスのランク設定をされているので…少し比較してしまいましたね。

ワイワイするには面白い作品ですし、マーダーミステリーとして事件の推理には筋が通っているので、そこは問題ありません。成否を求めるタイプのボードゲームとしては緩いので、“かなりライト層向け”かな~と思います。

プレイの感想(ネタバレあり)

ここからは、コンテンツにもう少し足を突っ込んだ感想を記載していきます!

名探偵コナンを遥かに超える衝撃の事件が…!

本作の「グランドホテルでデュエットを」はホテルでの殺人事件が舞台のマーダーミステリーです。

「卓上探偵団」のゲームシステムとして、三段階の調査フェーズがあり、各段階ごとにコスト無しで追加ストーリーの公開と指定回数分の任意情報の公開が可能です。なので、段階を経るごとに確実に真相を掴むために必要な情報は増えていきます。プレイの中で第二フェーズで段々と犯人像が浮かび上がり、動機や殺害方法といった詳細な部分を詰めるだけ、という状況になってきました。そのため、恐らく真相を明らかにできるであろう第三フェーズ突入を期待感を持って待っていました。

いざ第三フェーズが始まると、追加ストーリーが公開になり…

容疑者のうち1人が爆発で死亡…!

ちなみに死亡した容疑者はこの時点で当初の事件の主犯格に最も近いと推測していた人物でした。なので、「えっ?」って自然と素の声が出ちゃったというか、あれ?追加で事件発生しちゃいましたけど?みたいな展開に。

名探偵コナンの世界でもあまり見ない、犯人が死亡し全く別の事件が進行するという展開に。こんなトンデモ展開が発生しますが、第三フェーズでは頑張って両方の事件を解明することになりますよ!

システム的な問題が…?

本作のゲームシステムについては上述しました。先ほど触れた最終ランク設定についてちょっとネタバレします。本作の難易度が簡単な理由として、もちろん取得した情報から推理しやすい癖のない事件だった、ということもありますが、もう1つシステムの根本的な理由で難易度が恐ろしく下がっています。

それは、情報の取捨選択が全く機能していないこと。
本作で最高ランクを取得するためには事件の真相を解き明かすだけで充分です。つまり捜査の早期打ち切りによる加点をあまり狙う必要はありません。また、第三フェーズまでに調査できる数と、非公開の情報数がほぼほぼイコールです。つまり、第三フェーズまでですべての情報が公開されるようなゲームシステムになっています。

全ての情報を公開して推理するだけなら非常に簡単で、捜査の早期打ち切りが何の意味も成しておらず、情報を取捨選択する必要性がないのです。システムの設定ができたマーダーミステリー作品だと「情報の入手数」と「事件の真相を解き明かす精度」を天秤にかけ、少しギャンブル的に攻めてようやく最高ランクを手にすることができる、ボードゲーム的に面白い作品になってたりします。ただ本作では結局ほぼすべての情報を公開して、そこから推理して、「合ってたね~」で最高ランク!ってなっちゃうシステムでした。

ぼどわん

ボードゲームとしてはどうかな~?

本作は25点獲得の最高ランク!

今回のプレイでは、捜査の早期打ち切りを目指さずに「確実に事件の真相を明かす」ことを目的にプレイしました。そのため、最終ランクは低いかな~とも思ってました。

ぼどわん

Qシャーロックでは確実にスコア伸びないプレイングだね!

情報の調査数が残り3つになった時点で、「これ以上推理が変わらないだろうな」という段階まで来たので、いざ解答確認!

結局全問正解で22点+未調査分の加点3点で計25点でクリアです!
ちなみに、最高ランクは20点~なので、全て調査しきって事件の真相が1つ間違える程度までは最高ランクになると思います。

ただマーダーミステリー作品の面白いところは、事件の大筋の真相は正解していて得点が絡むところは推測できているんですが…それ以外にも情報の中で細かい設定があったりするんですよね。そこまでは読み取れなかったな~とか、解答確認の時間で驚くような設定が隠されているのが発覚したのは面白かったですね!

ぼどわん

ヒルズが連れ込もうとしてたのエマなの!?女性でいいんだ!?
ダニエルお前…エマに好意寄せてたのかよ!とかね笑

まとめ

協力型マーダーミステリー作品の一般的なシステムが採用されており、本作はその入門と言える難易度なので、ライトな作品からやりたい方はぜひ!

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二人協力ゲーム専門のレビューブログ
年齢:20代後半
職業:普通の会社員×2
好物:ジャンル問わず協力型
互いに負けず嫌いで対戦ゲームNG…!?
そんな二人の実際ゲームレビュー&紹介

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