ボードゲーム レビュー

【評価/感想】パンデミック:新たなる試練(第1弾、基本セット)

協力ゲームの超名作『パンデミック』シリーズの第1弾基本セット、『パンデミック:新たなる試練』をプレイしました!

『パンデミック』は、プレイヤー同士が協力して世界中に広がる病原体の拡散を食い止め、治療薬を開発しながら人類を救う協力型ボードゲームの金字塔です。各プレイヤーが異なる役割を担い、限られたアクションの中で世界各地を移動しながら感染を抑えていくシステムは、現在では「パンデミック系」と呼ばれるほど、多くの協力型ボードゲームに影響を与えています。

本作は、その基本形となる第1弾の基本セット。毎回同じ初期設定からスタートするスタンドアロン型ですが、7種類の役職や3段階の難易度が用意されているほか、カードの引きによるランダム要素もあるため、繰り返し遊んでも同じ展開にはなりません。

難易度は「やや難しい」です(最大難易度の場合)。
ルール自体は比較的シンプルですが、限られたアクションをどう組み合わせるか、盤面の状況に対してどこから対処するかなど、ゲーム中の判断は多岐にわたります。そのため、プレイヤーの判断力が結果に大きく影響し、非常に自由度の高いゲームになっています。特に、目の前の感染を抑えるのか、将来の治療薬開発に向けてカードを集めるのかなど、リスクとメリットのバランスを見極めることが重要。判断を一つ間違えるだけで、一気に戦況が傾いてしまうこともあります。
さらに最大難易度では、最善に近い選択を続けることが求められるうえ、カードの引きによる運要素も絡んでくるため、かなり歯ごたえがあります。

実際に遊んでみると、「不朽の名作」と呼ばれる理由を実感できる、シンプルながら非常に完成度の高いゲームでした。また、『パンデミック』シリーズは独立作品や拡張セットを含めてさまざまな作品が登場しているため、本作をきっかけに、異なるコンセプトの『パンデミック』シリーズを遊び続けられるのも大きな魅力ですね。

君たちは、人類を滅亡させかねない4種類の病原体に立ち向かわなければならない、高度な技術を持った医療研究チームの一員だ。
君たちのチームは、病原体の感染の拡大を食い止め、治療薬を開発するために、世界中を飛び回ることになる。病原体が世界全体を覆う前に、これを撲滅すべく、個々の技術や能力を活かして、チーム内で力を合わせなければならない。病原体が拡散(アウトブレイク)し、疫病が加速的に広がるまで残された時間はわずかだ。
君たちは、時間内に治療薬を発見できるだろうか?人類の命運は君たちの手にゆだねられている!

パンデミック:新たなる試練 | ANALOG GAME INDEX

”実際のプレイデータ“、評価”、そして”プレイの感想”を共有したいと思います!

ぼどわん

ぼどわん(当サイトの運営者)

  • 一般企業勤めの20代後半
  • 協力系ボードゲーム、謎解き大好き!
  • 負けず嫌いなので対戦系はほどほどに…(笑)
  • 100種類以上のアナログゲームを保有、順次紹介!

パンデミックの紹介記事、遊び方に関してはコチラから!

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実際のプレイデータと評価

まずは、実際のプレイデータと評価を記載していきますね!

本作品は2013年に発売された『パンデミック』シリーズの第1弾基本セットです。不朽の名作である強力ゲームの金字塔『パンデミック』の標準仕様の作品となります。

世界最大級のボードゲーム情報サイト「BoardGameGeek(BGG)」のランキングでは、約3万作品が掲載される中で175位(2026/9現在)にランクインしており、協力型ボードゲームの中でも非常に高い評価を受けている作品です。

作品名 パンデミック:新たなる試練
プレイ人数 2~4人
プレイ時間 45分/1プレイ
ジャンル パンデミック型:カード、協力
プレイ方式 スタンドアロン型
メーカー価格 6,600円(2026/6現在)
関連作品 15作品
BGG ranking Rate 7.400:rank:175位/31335 (2026.9)
商品リンク Amazonリンク

『パンデミック:新たなる時代』の目的

『パンデミック』は、世界中に広がる4種類の病原体の感染拡大を食い止めながら、すべての治療薬を発見することを目指す協力型ボードゲームです。

各プレイヤーは医療チームの一員となり、世界各地を移動しながら病原体の除去や治療薬の研究を進めます。しかし、プレイヤーの手番が終わるたびに感染が発生し、放置すれば病原体は次々と周辺都市へ拡大。感染が連鎖する「アウトブレイク」が発生すると、さらに広範囲へ感染が広がってしまいます。

プレイヤーは相談しながら、毎ターン4回のアクションを実行します。都市間の移動、病原体の除去、調査基地の建設、プレイヤー同士のカード交換などを組み合わせ、感染拡大を抑えつつ、治療薬の発見に必要なカードを集めましょう。調査基地で同じ色の都市カードを5枚使うと、その色の治療薬を発見できます。

こうして4種類すべての治療薬を発見できればプレイヤー全員の勝利です。一方、アウトブレイクが8回発生する、病原体コマが不足する、プレイヤーカードの山札が尽きる、のいずれかに該当すると敗北となります。

限られた行動回数の中で、目の前の感染拡大を防ぐのか、それとも治療薬の研究を優先するのか。世界が感染症に覆われる前に、仲間と協力して人類を救いましょう。

・感染拡大するマップ上の病原体を取り除く
・病原体の対処をしつつ手札を揃えて治療薬を作成し、病原菌を根絶する

プレイデータ(人数、時間)

本作はスタンドアロン型のゲームですが、使用する役職や難易度によって盤面やプレイ感が大きく変化します。そのため、初回クリア後も同じ難易度で何度か繰り返しプレイしてみました。

今回は計13回プレイし、7回クリア! 感染の広がり方やカードの引きによって毎回異なる展開になるため、同じ難易度でもその場に応じた判断が求められます。前回うまくいった戦略が必ずしも通用するとは限らず、繰り返し遊んでも新鮮な気持ちで楽しめるのが面白いですね。

プレイ時間は目安どおり、1プレイ約40分。短時間で遊べるうえに展開の変化も大きく、何度も挑戦したくなるリプレイ性の高さが魅力でした。

プレイ詳細

  • プレイ人数:2人
  • プレイ時間:8時間27分(1プレイ約40分)
  • プレイ回数:全13回
    入門レベル:2回(2回クリア)
    標準レベル:4回(3回クリア)
    英雄レベル:7回(2回クリア)
  • プレイ期間:約4ヶ月(2025年6月~2025年9月)

パンデミック:新たなる試練の個人的評価

実際にプレイしてみて、『パンデミック:新たなる試練』の評価はコチラの通りになります!

プレイ評価

盛り上がり:4
難易度:4
知略:4
運要素:2
コスパ(ボリューム/時間):3
おすすめ度:5

『パンデミック:新たなる試練』は、世界中に拡大する病原体の感染を食い止め、人類の滅亡を防ぐ協力型ボードゲームの金字塔です。

難易度は「やや難しい」(最大難易度の場合)です。用いる役職や感染の発生場所によっても難易度は大きく変化する印象ですが、数回プレイすれば、少しずつクリアへの糸口が見えてくる感覚がありました。特に重要なのが、病原体への対処と治療薬の発見を、どのタイミングで切り替えるか。目の前の感染を放置するわけにもいきませんが、病原体の対処ばかりに追われていると、いつまで経っても治療薬を発見できません。最終的には4種類すべての治療薬を発見しなければ勝利できないため、治療薬の開発に必要なカードを集めることも重要です。運要素をできるだけ抑えるためにも、多少強引にでもプレイヤー同士で手札を融通し合い、必要なカードを集めていく判断が求められます。

本作は【おすすめ度:5】としました。

シンプルなルールながら取れる選択肢が非常に多く、スタンドアロン型でありながらカードの引きによるランダム要素も大きいため、状況に応じて戦術を変える幅の広さが必要がある点を高く評価しています。

世界中に拡散する病原体に対して、どの移動手段を使うのか、どのルートで移動するのか、どの都市の病原体を優先して対処するのか、治療薬の発見にいつ切り替えるのか……。ルールそのものはシンプルなのに、実際のゲーム中には非常に多くの選択肢があります。カードの引きや病原体の発生場所による運要素はありますが、それを踏まえたうえで盤面をコントロールしていく余地が大きく、プレイヤーの判断力が結果にしっかり反映されるのが面白いところ。さらに、使用する役職によって得意な行動や取るべき戦術が変わるため、役職を変えるだけでも違ったプレイ感を楽しめます。

そして、スタンドアロン型なのでゲームを遊ぶたびにコンポーネントが変化したり、キャンペーン型のようにストーリーのネタバレを気にしたりする必要もありません。役職を変えるだけでなく、プレイヤーや人数が変わることでも戦術が大きく変化するため、非常にリプレイ性の高い作品だと感じました。

何度でも遊びながら、そのたびに異なる状況に対応していく。シンプルなルールの中にこれだけの自由度と奥深さが詰め込まれているからこそ、長年にわたって名作として遊ばれ続けているのだと実感できる作品でした。

プレイの感想(ネタバレなし)

さて、本ゲームのプレイ感想に移ります。

本作品の個人的に感じた良い点と悪い点を挙げていきます。

GOOD!

  • 豊富な選択肢、優先項目の変化が秀逸
  • 役職、盤面で大きく変化する戦略性

BAD…

  • 特になし!

〇:豊富な選択肢、優先項目の変化が秀逸

本作でプレイヤーが基本的に行うアクションは、マップ上の移動、病原体の排除、治療薬の発見に付随するアクションと、比較的シンプルです。

しかし、1手番で4つまでアクションを実行でき、移動方法も複数存在するため、その時々でプレイヤーに与えられる選択肢は非常に多岐にわたります。そのため、手番の行動が定型化することはほとんどなく、その都度変化する盤面を見ながら、最適な行動を考えることが求められる、非常に知略性の高いボードゲームになっていました。

もちろん、カードの引きなどによる運要素も少なからずありますが、それを踏まえてもプレイヤーの腕の見せ所は十分にあります。

どの移動手段を使うのか、どのルートを通れば効率よく病原体を排除できるのか、そして病原体の排除と治療薬の発見にどの程度アクションを割くのか。さらに、今後どの都市で感染が発生する可能性が高いのかまで予測しながら、目の前の状況だけでなく、数手先を見据えた判断も求められます。

なかでも、本作のクリアに大きく影響するのが、病原体の排除と治療薬の発見のバランスです。

病原体の拡散が進みすぎれば敗北してしまうため、感染を抑えることは必要不可欠。しかし、勝利条件はあくまで4種類すべての治療薬を発見することであり、病原体の排除だけを続けていてもゲームには勝てません。

だからこそ、現在の盤面を冷静に俯瞰し、「今は感染を抑えるべきなのか、それとも治療薬の発見を優先すべきなのか」を見極める必要があります。この切り替えのタイミングこそが、本作の面白さの核心だと感じました。

シンプルなルールの中にこれだけ多くの判断を詰め込み、プレイヤーの選択をしっかりゲーム結果につなげている。非常に完成度の高いボードゲームでした。

〇:役職、盤面で大きく変化する戦略性

本作を評価するうえで、ここまで紹介した知略性だけでは十分ではありません。運要素もまた、本作の魅力を引き出す重要な要素になっています。

本作における主なランダム要素は、役職のランダムピック、初期手札、そしてゲーム開始時の病原体の感染都市です。

なかでも役職は、ゲーム中に使用できる特殊能力がそれぞれ大きく異なります。どの役職も特殊能力の貢献度が高く、ゲーム中はそれらを駆使しながら目的を達成していくことになります。

一方で、役職ごとの能力の方向性は大きく異なるため、どの役職を組み合わせるかによって、同じ盤面でも取るべき戦術が変化します。「この盤面ならこの行動」という単純な最適解が存在するのではなく、役職に合わせて戦術そのものを組み立て直す必要がある。この点が非常に面白いところでした。

また、初期手札やゲーム開始時の病原体の感染都市も、序盤の戦術を大きく左右します。

初期手札から早い段階で発見を狙えそうな治療薬の種類を見極め、それを踏まえてどの都市を優先的に対処するのか、どのプレイヤーがどの地域を担当するのかを考えていくことになります。

つまり、ランダムに決まる要素が、そのまま毎回異なる「解くべき課題」になるわけです。

盤面だけでなく役職や手札、感染状況まで変化することで、同じゲームであっても毎回異なる戦術を求められます。こうしたランダム要素があるからこそ、スタンドアロン型でありながら高いリプレイ性が生まれているのだと感じました。

プレイの感想(ネタバレあり)

次はネタバレを含めながら感想を伝えていきます。

『パンデミック:新たなる試練』の役割解説

本作には全7種の役職が存在します。各役職ユニークな能力を有しているため、それぞれ紹介していきます。

役職

  • 危機管理官:おすすめ度
  • 通信司令員:おすすめ度
  • 衛生兵:おすすめ度
  • 作戦エキスパート:おすすめ度
  • 検疫官:おすすめ度
  • 研究員:おすすめ度
  • 科学者:おすすめ度

危機司令官:おすすめ度

■ 能力
・1アクションを消費して、捨て札にあるイベントカード1枚を取って、このカードの上に置き、再度使用可能となる。
・このゲームの上に置いたイベントカードは、使用したらゲームから取り除く。
このカードの上にはイベントカードは1枚しか置くことができず、そのイベントカードはあなたの手札の枚数に含まれない。

使用済みのイベントカードを種類ごとに1枚再利用できる能力を持つ「危機管理官」。

イベントカードには、アウトブレイクを回避したり、感染拡大による危機的な状況を打開したりできる強力なものがあります。それらを再利用できるのは確かに便利ですが、能力を活かすには、まず有用なイベントカードを引き、使用して捨て札にしておく必要があります。そのため、序盤から能力を活かせず、中盤まで実質的に役割がないことも少なくありません。

また、イベントカードは使いどころが重要なものも多く、再利用できるからといって、都合よく効果を発揮できるとは限りません。何より、イベントカードは感染拡大への対処には役立つものの、勝利条件である治療薬の発見には直接貢献しにくい点がネックです。

危機管理官の能力はピンチを乗り切る助けにはなりますが、効果を発揮する場面が限られ、安定した活躍は期待しにくい役職です。7種類の役職のなかでは、優先度が低めのカードといえるでしょう。

通信司令員:おすすめ度

■ 能力
・自分のターンに、他のプレイヤーのコマを、自分のコマと同じ要領で移動する。
・1アクションを消費して、いずれかのプレイヤーの1つを、プレイヤーコマがある他の都市にへ移動する。
他のプレイヤーコマを移動する前に、そのプレイヤーの許可を得ること。

味方の移動をサポートし、移動効率を高められるのが「通信司令員」です。

味方のコマを移動させたり、ほかのプレイヤーとの合流を助けたりできるため、あと一歩届かない場面でのダメ押しや、危険な都市への対処などに役立ちます。汎用性が高く、一見すると使い勝手のよい能力に思えます。

しかし、実際に使ってみると、能力によって得られる恩恵はそれほど大きくありませんでした。特に二人協力プレイでは、マップ上で担当エリアを分けて感染拡大に対処する方が効率的なため、味方との合流をサポートする能力は活用機会が限られます。

味方の移動も、あと一歩足りない状況を補うには便利ですが、あくまで補助的な効果にとどまります。勝利条件である治療薬の発見に直接貢献できるわけではないため、ほかの役職と比べると優先度は低めです。

以上の理由から、個人的なおすすめ度は★1。移動を補助できる便利さはあるものの、二人協力プレイでは能力を活かしきれない場面が多く、積極的に採用したい役職とはいえませんでした。

衛生兵:おすすめ度

■ 能力
・感染者の治療時に、その都市にある病原体コマのうち1色すべてを取り除く。
・自分がいる都市にある、すでに治療薬が発見されている病原体コマ全てを自動的に取り除く(さらにその都市に病原体コマが置かれるのも防ぐ)

病原体の駆除を強力に推し進められるのが「衛生兵」です。

本作では、病原体の駆除と治療薬の発見が主な行動となります。病原体の駆除は敗北につながるアウトブレイクを防ぐために重要であり、治療薬の発見は勝利条件に直結します。病原体の駆除はあくまで対症療法的な対策ですが、特に高難易度ではアウトブレイクが発生しやすく、敗北が現実味を帯びてきます。そのため、病原体の拡大を抑える余裕を生み出せる衛生兵の能力は非常に頼もしいものです。

衛生兵の能力は、序盤・中盤・終盤を問わず活躍する、シンプルかつ強力なものです。通常、病原体コマを取り除くには1アクションにつき1個しか処理できませんが、衛生兵なら効率よく駆除できるため、その分のアクションを節約できます。ゲーム全体を通じて考えると、この節約効果はかなり大きく、移動や手札の収集、調査基地の設立など、ほかの重要な行動にアクションを回せるようになります。また、盤面の感染状況を安定してコントロールしやすくなる点も大きな強みです。

さらに、治療薬を発見した病原体は、根絶するまでは引き続き感染拡大に注意する必要があります。衛生兵は治療薬発見後の病原体にも対処しやすく、根絶までスムーズに進められるため、プレイ全体の安定感を高めてくれます。

病原体の駆除にかかるアクションを節約しながら、感染拡大のリスクも抑えられる衛生兵。ゲームを通じて安定した活躍が期待できる、非常に優秀な役職です。

作戦エキスパート:おすすめ度

■ 能力
・1アクションを消費して、都市カードを使わずに、自分がいる都市に調査基地1つを設置する。
・各ターンに1度、1アクションを消費して、いずれかの都市カード1枚を捨て札にすることで、調査基地のある都市から好きな都市へ移動する。

調査基地を無条件で設立できる能力と、縦横無尽に移動できる能力を持つのが「作戦エキスパート」です。

通常、調査基地を設立するには、その都市のカードを手札から廃棄する必要があります。そのため、設立できる場所が手札に左右されるうえ、貴重な都市カードを消費しなければならないという二重の制約があります。しかし、作戦エキスパートなら、こうした制約を受けずに調査基地を設立できます。

調査基地は、治療薬の発見に必要となる重要な施設です。4種類の病原体それぞれの治療薬を発見するためには、各色のエリアに調査基地を設置する必要があるため、作戦エキスパートの能力によって都市カードを節約できるのは大きなメリットです。設立場所の自由度も高く、状況に応じて柔軟に調査基地を配置できます。

もうひとつの能力である、マップ上を縦横無尽に移動できる能力も便利です。感染が広がっている危険なエリアへ素早く向かい、病原体の駆除やアウトブレイクの防止をサポートできます。移動にかかるアクションを節約しながら、必要な場所へ柔軟に対応できるのが強みです。

ただし、どちらの能力も治療薬の発見そのものを直接進めるものではなく、あくまでほかの行動を支えるサポート役としての性格が強い役職です。手札や移動の効率を高められる一方、勝利に向けてどれだけ活用できるかは、状況やほかの役職との組み合わせにも左右されます。

検疫官:おすすめ度

■ 能力
・自分がいる都市と、その都市に隣接するすべての都市に病原菌コマが置かれること(とアウトブレイク)を防ぐ。

危険なエリアに配置するだけで、病原体によるリスクを低減できるのが「検疫官」です。

検疫官は、自分がいる都市とその隣接都市に対して、病原体の拡大を防ぐ効果を発揮します。危険なエリアに配置しておくだけでアウトブレイクの可能性を大きく減らせるため、感染拡大が深刻な状況では非常に頼もしい能力です。

一方で、シンプルな能力に見えて、実際に使いこなすのは意外と難しい役職でもあります。能力を最大限に活かすには、感染が広がりそうなタイミングを見極めて危険なエリアに配置する必要があります。しかし、エピデミックカードや感染カードによって、いつ、どこで感染が拡大するかには運の要素も絡みます。山札の残り枚数などからある程度予測できる場面もありますが、狙ったタイミングで能力を活かせるとは限りません。

さらに、検疫官を配置したものの予想した事態が起こらなかった場合、そのまま危険なエリアにとどまるべきか、別の行動に移るべきかという判断も必要になります。感染拡大を防ぐために4アクションをどう使うか、ほかの目的との兼ね合いを考えなければならず、危機を回避できる反面、結果的に行動が無駄になってしまう可能性もあります。

また、病原体の駆除や感染拡大の防止は、あくまで対症療法的な対策です。本作の勝利条件は治療薬の発見であるため、感染を抑えることに意識を向けすぎると、肝心の治療薬の発見が遅れてしまうこともあります。

アウトブレイクを防ぐ能力は強力ですが、その効果を活かすには状況の見極めと行動の取捨選択が重要です。危機を回避することに集中しすぎず、治療薬の発見とのバランスを意識して運用したい役職です。

研究員:おすすめ度

■ 能力
・知識の共有のとき、自分の手札の好きな都市カード1枚を渡すことができる。渡すカードは、自分が現在いる都市以外のカードでもよい。自分の手番にあなたと知識の共有をするプレイヤーは、貴方の手札の好きな都市カードを一枚受け取ることができる。

科学者を使用しない場合に、治療薬の発見を直接的にサポートできる強役職が「研究員」です。

治療薬の発見には、通常、同じ色の都市カードが5枚必要です。しかし、手札上限は7枚のため、序盤は複数の色を並行して集められても、4枚目以降は特定の色に狙いを絞る必要があります。必要なカードを引けなければ手札を圧迫し、ほかの色のカードも集めにくくなってしまいます。

そこで活躍するのが、研究員の能力である「知識の共有の強化」です。通常、知識の共有は特定の都市にプレイヤーが集まり、その都市のカードを譲渡する必要があります。条件が厳しく、必要な色のカードを渡したいタイミングで交換できるとは限りません。一方、研究員は自他の手番問わず、任意の都市カードをプレイヤー間で受け渡しできます。そのため、治療薬の発見に必要なカードをピンポイントで受け渡しでき、最難易度の高い所望の1〜2枚をそろえる難易度を大きく下げられます。

科学者のように必要なカード枚数を減らすことはできませんが、カードの受け渡しに関する制約を緩和し、治療薬の発見を強力に後押ししてくれる役職です。

科学者:おすすめ度

■ 能力
・同一の色のカード4枚で、治療薬を発見する

本作で最も強力な役割カードのひとつが、この科学者です。個人的には、治療薬の発見を大幅に早められる、本作屈指の強役職だと考えています。

『パンデミック:新たなる試練』の目的は、感染した都市を治療することではなく、敗北条件を満たす前に4種類すべての治療薬を発見することです。感染拡大を抑えることも重要ですが、勝利するためには治療薬の発見を急ぐ必要があります。

通常、治療薬の発見には同じ色の都市カードが5枚必要ですが、科学者は4枚で治療薬を発見できます。手札上限が7枚という制約のなかで、必要な色のカードを5枚集めるのは簡単ではありません。4枚で済むことで、複数の色を並行して集める余裕が生まれ、状況に応じた柔軟な立ち回りが可能になります。

また、ゲームが進むほど感染拡大への対応が難しくなるため、治療薬を早く発見すること自体が大きな攻略につながります。勝利条件に直接貢献できる科学者は、ゲーム全体の難易度を大きく下げてくれる、優先的に活用したい強力な役職です。

ぼどわん

科学者を使用時は1段階難易度が易化するイメージだよ!

『パンデミック:新たなる試練』のプレイ感

本作『パンデミック:新たなる試練』は、協力型ボードゲームの金字塔として世界中で愛されている作品です。BGG(BoardGameGeek)のランキング上位には重量級のボードゲームが多く見られますが、そうした作品は豊富なルールや多彩な要素を盛り込み、独自の魅力を生み出しやすい側面があるのでしょう。

一方、本作は1プレイ約1時間弱で遊べる中量級の作品です。ルールは比較的シンプルで、病原体の感染拡大を食い止めながら、4種類の治療薬を発見することを目指します。しかし、そのシンプルなルールの中に、何度遊んでも飽きにくい奥深さが詰まっています。

その面白さを支えているのが、毎回ランダムに変化するゲーム展開と、プレイヤーの選択によって広がる戦略性です。感染カードの引きによって状況は刻々と変化し、同じゲーム展開になることはほとんどありません。そのうえ、各プレイヤーは自分の手番に4アクションを自由に組み合わせて行動できます。病原体の駆除を優先するのか、治療薬の発見に向けて手札を集めるのか、それとも移動や調査基地の設立にアクションを使うのか。限られた行動回数の中で何を優先するかが重要になり、シンプルなルールながらも悩ましく、戦略性の高いゲームに仕上がっていました。

また、難易度の調整方法がシンプルなのも印象的でした。基本的にはエピデミックカードの枚数を増やすだけですが、それだけで感染拡大の厳しさが大きく変わります。ルールを複雑にすることなく、プレイヤーの経験や実力に合わせて難易度を調整できるのは、本作の優れた点だと感じました。

どこまでもシンプルな設計でありながら、ランダム性、戦略性、難易度調整のすべてが高い完成度でまとまっています。世界中で長く愛されているのも納得の一作でした。

難易度別の攻略についても触れておきます。入門・標準レベルは、ゲームの基本的な流れを理解すれば、そこまで慣れていなくても比較的スムーズにクリアできました。

一方、本作の最高難易度である「英雄」レベルは別格です。何度も苦戦を強いられ、最終的にクリアできたのは「科学者」を採用した組み合わせでした。科学者を使わずに英雄レベルをクリアすることは、残念ながら達成できていません。

科学者が強力なのは、治療薬の発見に必要なカードが通常の5枚から4枚に減るためです。運よく初期手札がかみ合えば、序盤から治療薬の発見を狙えます。そこまで都合よくいかなくても、必要なカードを集める負担が軽くなるため、治療薬の発見まであと一歩という状況を作りやすくなります。手札のやりくりに余裕が生まれることで、病原体の駆除や移動など、ほかの行動にもアクションを回しやすくなるのです。

そのため、英雄レベルでなかなか勝てない場合は、まず科学者を採用してみるのがおすすめです。役職の能力によって攻略の難しさが大きく変わることを実感できるはずです。

反対に、標準レベルを安定してクリアできるようになったら、あえて科学者を使わずに挑戦してみるのも面白いでしょう。役職の組み合わせを変えるだけでも難易度を調整できるので、自分たちの実力に合わせて少しずつ挑戦の幅を広げられます。

『パンデミック:新たなる試練』の攻略(英雄レベル)

ここからは、英雄レベルを攻略するうえで、実際にプレイして気を付けたポイントを紹介します。

なお、筆者がプレイしたのは二人プレイのみです。プレイ人数によって立ち回りや役職の組み合わせも変わる可能性があるため、二人協力プレイでの攻略ポイントとして参考にしてください。

攻略ポイント

  • エピデミックカードの位置は常に管理する
  • 出現した感染カードは常に把握する
  • 序盤に積極的にカードの受け渡しをする
  • 病原菌対処エリアは分ける
  • 都市に存在する病原菌は2つを心掛ける

エピデミックカードの位置は常に把握する

英雄レベルの攻略で特に重要なのが、エピデミックカードが山札のどこにあるかを意識することです。

プレイヤーカードは都市カード48枚とイベントカード5枚の計53枚です。二人プレイでは初期手札として合計8枚を配るため、残りの山札は45枚。英雄レベルでは、ここにエピデミックカードを6枚追加し、山札を6つの山に分けて、それぞれにエピデミックカードを1枚ずつ混ぜてから重ねます。

つまり、エピデミックカード6枚が、それぞれおよそ8〜9枚のカードからなる山に1枚ずつ入っている計算です。この仕組みを理解しておくと、次にエピデミックカードを引くタイミングをある程度予測でき、先を見越した行動を取りやすくなります。

例えば、プレイヤーの手番が3ターン進み、合計6枚のプレイヤーカードを引いてもエピデミックカードが出ていない場合、次の手番で引く可能性が高まります。エピデミックカードが近いと予測できれば、感染拡大への備えを優先するなど、あらかじめ行動方針を変えられます。

特に注意したいのが、エピデミックカードを引いた後の感染処理です。エピデミックカードによって感染率が上昇し、感染カードの山札の一番下にあるカードを引いて、その都市に病原体コマを3個置きます。その後、感染カードの捨て札をシャッフルして山札の上に戻すため、すでに感染した都市が再び感染処理の対象になる可能性があります。

同じ都市が再び引かれることによるアウトブレイクを完全に防ぐのは難しいものの、感染が進んでいる都市の病原体コマを2個以下に減らしておけば、少なくとも1回の追加感染でアウトブレイクが発生する事態を避けやすくなります。エピデミックカードが近いと分かっているなら、危険な都市を優先して対処する価値は高いでしょう。

一方、序盤の早い段階でエピデミックカードを引いた場合は、その山から次のエピデミックカードが出る心配はなくなります。例えば、最初の手番でエピデミックカードを引いたなら、残りのカードを引き切るまでは次のエピデミックカードが出ないため、感染拡大への警戒を少し緩め、治療薬の発見に向けた行動を優先する余地が生まれます。

このように、エピデミックカードの位置を数えながら、感染拡大への備えと治療薬の発見をうまく切り替えることが重要です。運に任せて目の前の状況に対応するだけでなく、次に起こり得る事態を予測して行動することが、英雄レベルの攻略につながります。

出現した感染カードは常に把握する

本作では、感染カードを引くことで病原体コマが置かれる都市が決まります。通常の感染処理ではランダムに都市が選ばれますが、エピデミックカードを引くと、感染カードの捨て札をシャッフルして山札の上に戻すため、一度感染した都市が再び感染処理の対象になりやすくなります。

つまり、一度感染カードで引かれた都市は、その後も繰り返し病原体コマが増えていく可能性があります。一方、まだ感染カードとして引かれていない都市には、通常の感染処理では病原体コマが置かれません。エピデミックカードによる感染や、アウトブレイクの連鎖によって感染するケースはありますが、基本的には感染カードで公開された都市を中心に対処すればよいのです。

特に重要なのが、ゲーム開始時の準備で病原体コマが置かれる9都市です。これらの都市は感染カードの捨て札に含まれるため、エピデミックカードによって捨て札が山札に戻されるたびに、再び感染処理の対象となる可能性があります。つまり、ゲームを通じて継続的に警戒すべき都市といえます。

もちろん、公開された都市すべてをすぐに無菌状態にする必要はありません。大切なのは、感染が繰り返されやすい都市や、アウトブレイクにつながりそうな危険な都市を見極め、優先順位をつけて対処することです。感染カードの公開状況を把握しておけば、限られたアクションを効率よく使い、感染拡大を抑えやすくなります。

序盤に積極的にカードの受け渡しをする

本作では、ゲームが終盤に近づくほど病原体コマの増加が加速し、プレイヤーの対処が追いつかなくなっていきます。感染拡大を抑えるためにアクションを使わざるを得ない場面が増えるため、治療薬の発見に集中できるのは、比較的余裕のある序盤です。

もちろん、序盤だからといって病原体への対処を後回しにしてよいわけではありません。ゲーム開始時点で、すでに病原体コマを3個抱えた都市が3つ存在します。これらの都市はアウトブレイクにつながる危険性が高いため、最初のエピデミックカードによる感染拡大も見据えながら、必要な対処を進めることが重要です。

一方で、序盤にはもうひとつ大きなチャンスがあります。それは、プレイヤー同士で知識を共有しやすいことです。二人のプレイヤーはアトランタからゲームを開始するため、同じ都市にいる状態で手札の受け渡しを行いやすくなっています。特に、スタート地点に近い青か黄の都市カードがどちらかの手札に偏っており、治療薬の発見まであと少しという状況なら、感染拡大へのリスクをある程度許容してでも、早めにカードを受け渡しておく価値があります。

序盤のうちに治療薬の発見に向けた準備を進めておけば、その後の行動計画を立てやすくなります。治療薬を発見した色の病原体は、感染拡大への対処も進めやすくなるため、プレイヤーが優先して対応すべきエリアを絞り込めるのもメリットです。

感染拡大への対処と治療薬の発見を両立するのは難しいですが、序盤の余裕があるうちに手札を整え、治療薬の発見を進めておくことが、英雄レベル攻略の大きなポイントになります。

病原菌対処エリアは分ける

感覚的にも理解しやすいポイントですが、プレイヤー同士が常に近くにいると、遠く離れた都市で病原体が拡散した際に、対処が遅れてしまいます。本作のマップは広く、感染拡大が起きた場所へ移動するだけでも貴重なアクションを消費するため、二人で同じ場所に集まり続けるのは効率的とはいえません。

そこで基本となるのが、プレイヤーごとに担当エリアを分ける戦略です。対処が必要なエリアをプレイヤーの人数に応じて分担し、それぞれが担当範囲を巡回しながら病原体の駆除を進めます。こうすることで、マップの広い範囲をカバーしやすくなり、離れた都市で感染が拡大した場合にも素早く対応できます。

もちろん、病原体の駆除だけに専念するわけではありません。担当エリアの感染状況を管理しながら、調査基地の設立や治療薬の発見に向けた手札集めも進めていきます。必要に応じて担当エリアを越えて協力することも大切ですが、基本的にはそれぞれが役割を持って行動することで、限られたアクションを効率よく使えます。

二人プレイでは、常に一緒に行動するよりも、担当エリアを分けてマップ全体を管理することが重要です。感染拡大への対応力を確保しつつ、治療薬の発見も並行して進めることが、安定した攻略につながります。

都市に存在する病原菌は2つ以下を心掛ける

病原体コマが置かれた都市の危険度は、コマの数だけで決まるわけではありません。その都市の感染カードがすでに引かれているかどうかによっても、優先して対処すべきかが変わってきます。

例えば、感染カードがすでに引かれていて、病原体コマが3個置かれている都市。見た目には非常に危険な状態ですが、通常の感染処理では、同じ都市が再び引かれない限りアウトブレイクは発生しません。エピデミックカードによって感染カードが山札に戻されるまでは、すぐに追加の対処をしなくてもよい場合があります。

一方、感染カードがまだ引かれていない都市に病原体コマが2個置かれている場合は注意が必要です。通常の感染処理でその都市が引かれれば、病原体コマが3個になります。さらに、その後エピデミックカードを引くと、感染カードの捨て札が山札に戻され、感染処理によって同じ都市が再び引かれる可能性があります。こうなると、短い間にアウトブレイクが発生しかねません。

つまり、病原体コマが2個ある都市でも、感染カードがすでに引かれている都市と、まだ引かれていない都市とでは、警戒すべき度合いが異なります。後者は、感染カードの公開によって一気に危険な状態へ陥る可能性があるため、特に注意したいところです。

こうした違いを踏まえると、安全性を重視するなら、感染カードがまだ引かれていない都市は病原体コマ1個以下、すでに引かれた都市は2個以下を目安に管理するとよいでしょう。もちろん、状況によっては例外もありますが、アウトブレイクを防ぐための判断基準として役立ちます。

ただし、エピデミックカードを引いた際には、感染カードの捨て札が山札に戻ることで、予想外の感染拡大が起こる可能性があります。また、感染処理やアウトブレイクの連鎖によって、隣接都市にも病原体コマが置かれることがあります。そのため、エピデミックカードが近いと予測できる場合は、病原体コマが3個置かれた都市を優先して対処し、隣接都市への連鎖的なアウトブレイクも防ぐことが重要です。

病原体コマの数だけを見て機械的に対処するのではなく、感染カードが公開済みかどうか、エピデミックカードが近いかどうか、そして周囲の都市にどれほど病原体コマがあるかまで考慮することが、英雄レベルを攻略するうえで重要になります。

まとめ

『パンデミック:新たなる試練』は、シンプルなルールの中に高い戦略性と毎回異なるゲーム展開が詰まった、協力型ボードゲームの傑作でした。病原体の感染拡大を食い止めながら治療薬の発見を目指すという分かりやすい目的でありながら、限られた4アクションをどう使うか、どの都市を優先して守るか、いつ治療薬の発見に動くかなど、考えるべきことは尽きません。難易度も柔軟に調整でき、初心者から歯ごたえのあるゲームを求める経験者まで、幅広く楽しめる作品です。

特に英雄レベルでは、エピデミックカードの位置や感染カードの公開状況を把握し、感染拡大を予測しながら行動することが重要になります。二人プレイでは担当エリアを分けて効率よく対処しつつ、序盤のうちに治療薬の発見を進めるなど、先を見据えた戦略が求められました。役職の組み合わせによっても攻略の難しさが変わるため、繰り返し遊びながら自分たちなりの勝ち筋を探せるのも魅力です。協力して危機を乗り越える達成感を味わいたい方や、シンプルながら奥深いゲームを探している方に、ぜひおすすめしたい一作です。

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ぼどわん

二人協力ゲーム専門のレビューブログ
年齢:20代後半
職業:普通の会社員×2
好物:ジャンル問わず協力型
互いに負けず嫌いで対戦ゲームNG…!?
そんな二人の実体験ゲームレビュー&紹介


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